「やる気が出ない自分」を楽に動かす科学的方法 パフォーマンスを保てる人、保てない人の差

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家で簡単にできる、科学的なモチベーションアップ法とは?(写真:asaya/PIXTA)
なかなか働き方改革が進まなかった日本ですが、新型コロナウイルスの影響でテレワークが当たり前になりました。一方、急に来た在宅ワークの波に対応できず、「家だと仕事がはかどらない」「オフィスのほうがやる気が出る」という人も。
テレワーク中にもオフィスで働いているときと同じパフォーマンスを発揮することは可能──グローバルリーダー育成を専門とする会社を経営する塚本亮氏はそう語っています。『ヤバいモチベーション』を上梓した同氏に、家で簡単にできる、科学的なモチベーションアップ法を聞きました。

朝、「元気よく」謝罪する

朝一番、あなたはどんな仕事から手をつけますか?

私は、やりたくない仕事、気が重い仕事を、朝イチでとっとと片付けてしまいます。

1日のモチベーションを高くキープするにはこれがとても重要です。ですから「TODOLIST」で、私がよくそのトップに配置するのは「進んでやりたくない仕事」「気の重い仕事」。

例えば誰かに食事に誘われたもののどうしても予定が立たず、断らなければいけないとき、あるいはコミュニケーションの行き違いから仕事相手に誤解を与えてしまったり、不快な思いをさせてしまったときなどの謝罪は「気の重い仕事」に入りますが、これらを朝のうちに元気よくこなしてしまうのです。

案外見逃しがちですが、「考える」という行為には時間や脳のエネルギーというコストがかかっています。

そして、「やらなければいけない、しかし気が重くて後回しにしている仕事」があるときというのは、このことを何度も思い出し考えます。「早くやらないと……。でも気が重い。もう少し後でやろう」というようにですね。

そのたびにコストはかかっていて、トータルするとそのコストは案外バカになりません。また、その心配がなければ他の仕事にもっと集中できたかもしれず、考えることによって失っているものもまた大きいのです。

学生時代、私はいくつかのアルバイトをしましたが、途中から行くのがどうしても嫌になってしまったアルバイト先がありました。時間はいつも午後4時からなのですが、そのアルバイトが入っている日は朝から憂鬱。

午後4時まではどんなに楽しい時間でも、というより楽しければなおさら「アルバイトに行きたくない」という気持ちが募り、純粋に楽しめなくなる。せっかくの楽しい時間までも台無しにしてしまうことがありました。つまり、嫌なことを抱えているというのはそれだけで損失が大きいのです。

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