コロナ後にうつ病休職した人を待ち受ける悲劇 「社会的うつ」増加、根っこには労働問題

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過重労働やパワハラなど職場の問題をきっかけに抑うつ症状などを自覚し、休職に追い込まれる「社会的うつ」。コロナ禍のテレワークを経て、ますます増えているようです。(写真:liza5450/iStock)

過重労働やパワーハラスメント(パワハラ)など職場の問題をきっかけに抑うつ症状などを自覚し、うつ病休職に追い込まれる労働者が増えている。この社会的背景は、拙著『社会的うつ―うつ病休職者はなぜ増加しているのか』でも詳しく解説しているが、「社会的うつ」とは、私が独自に構築した言葉・概念だ。

医学的に言えば「うつ病」は、抑うつ症状以外にも食欲の減退あるいは増加、不眠あるいは睡眠過多、思考力や集中力の減退などさまざまな症状が組み合わさり、ほぼ1日中、ほぼ毎日、2週間以上にわたっていて、その症状のために著しい苦痛または社会的、職業的に機能障害を引き起こしているといった、いくつかの診断基準がある。

その医学的な診断基準には該当しない、つまり真の「病人」ではないのに過酷な労働条件・職場環境を背景に、ストレスの多い仕事を休みたい患者と、その希望を尊重しようとする主治医の意図、企業内制度、メディア報道などさまざまな社会的要因により、軽症の「うつ病」と診断されるケースを指して「社会的うつ」と呼んでいる。

このような「社会的うつ」は、コロナ禍のテレワークを経て、ますますの増加が見込まれる。このまま放置すれば、企業、労働者双方にとって大きな損失だ。アフターコロナに「病人」として排除されないためにどうすればよいのか、事例を紹介しながら考えてみたい。

「仕事から逃れるため」のうつ病休職

「仕事を続けるのはもう限界でした。会社を一定期間休むためには診断書が必要なので、メンタルクリニックを受診したんです。当時は、『軽症うつ病』と診断されてほっとしたんですが……あの選択が苦難の始まりでした」

大手メーカーの子会社で課長職に就く山川浩二さん(仮名、42)は今年3月に行ったインタビュー取材で、うつ病休職までの経緯を説明し、苦渋の表情を浮かべた。元は親会社の商品開発部門の課長だったが、長時間労働に加え、部下が指示どおりに動かないことに頭を痛めていたとき、部長からマネージメント能力不足を職場のみんながいる前で繰り返し非難されるというパワハラを受けた。気分の落ち込みや集中力の低下などが出始め、「つらい仕事から逃れたい」と思うようになったという。

「受診したのは、雑誌で仕事のストレスからうつ病にかかる人が増えているという記事を読んでいたからです。先生(主治医)には症状がしんどいので仕事を休みたいと強く訴えました。親身になって話を聞いてくれ、私のために『うつ病』と診断してくれたように感じました」

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