ネットでは「家事や育児に一切協力しない夫」の記事をよく目にするが、一方で、世の中にはバリバリ仕事をしつつ、家事にも育児にもフルコミットしている夫もいる。共働き夫婦が増えるにつれ、少しずつだが日本の夫婦のパートナーシップも変わりつつあるのかもしれない。
今回の主役は、アメリカ・ニューヨーク州のコーネル大学の大学病院で小児集中指導医として働く佐々木潤さんと、同じ病院で小児循環器指導医として働く妻の奈央さん。医師として共働きながら、2人の子どもを育てている夫婦だ。日本とアメリカの両方を知るふたりに、これまでの人生を聞きつつ、アメリカの共働き夫婦の実態や、提言などを聞いた。
出会いは大学、医学英語を学ぶなかで
石川県出身で、自衛隊員の父と栄養士の母のもとに生まれた潤さん。医師を目指すきっかけは、高校時代に漠然と抱いた留学への憧れだったという。
潤さん「高校時代から、留学や外国で働くことに興味がありました。英語の勉強が好きだったのもあり、『どういった職業に就くにしろ、いずれは留学したい』と思っていたんです。
一般的な学部だと卒業後にどういった職業に就くか想像ができないですが、その点、医学部は『卒業して医者になる』と進路がはっきりしているので、そこに惹かれました」
そして、東京医科歯科大学の医学部に入学。勉学に励むなかで、研究目的で留学する医師が多いことを知ったが、当時はまだ「海外で医師として働く」と明確に考えていたわけではなかったという。
そんな潤さんが、「海外に行こう」と明確に思ったきっかけは、医学英語を学ぶグループで、2学年上の奈央さんと出会ったことだった。
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