米国の「共働き夫婦の凄さ」を日本人は知らない 経済大国のパワーカップルは「考え方」が違う

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3
拡大
縮小

僕ができるのは食事の後片付けや洗濯だなと思ったのでやっていたんですが、あるとき僕が『やってるよ!』って言ってしまったことがあって、彼女がそれにすごく怒りをぶつけてきて。『俺だって家事手伝ってるじゃん』って世の男性は言ってしまうと思うんですが、そのときにハッとしたというか。家事は手伝うものじゃなくて、きっちり分担するものなんだなと痛感しました」

変化する社会で、共働きも変化?

このインタビューだけだと、「アメリカに行き、アメリカナイズドされたんだろう」と思ってしまいそうな価値観の潤さん・奈央さん夫妻だが、潤さんによると「僕の母は、妹によく『あなたは必ず大学に行って、仕事をずっと続けられるように資格を取りなさい』と言っていました。僕が共働きに対して強い肯定的な意見を持つ根幹には、母の影響もあります」とのこと。親の教育の影響も多分にあったようだ。

画像をクリックすると本連載の過去記事にジャンプします

実際問題、時代の変遷とともに共働きはますます増え、今後は共働きを前提とした夫婦のあり方を模索していく必要があるだろう。潤さんは若い世代の人たちに希望を含めてこう訴える。

「今の若い人は、家庭を持ちながら働くケースが多い。とても難しいですけど、若い人たちにはこれからの環境を作ることを考えてほしいですね」

潤さん・奈央さん夫妻は、ともに医師ということもあって世帯収入はかなりの上位。加えて、日本とアメリカという環境の違いもあることから、日本に住む一般的な共働き夫婦が真似できないことも多い。(本人たちも、そのことは理解したうえで出演してくれた)

ただ、「夫婦の話し合い」は今からでも実践できる。住む場所や職業に関係なく、幸福なパートナーシップを築くうえで「コミュニケーション」は欠かせないものだろう。

そして、違う国の例を知るのは、自分たちの価値観に向き合うきっかけになるのではないだろうか。

二宮 大樹 ライター

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Daiki Ninomya

会社員兼ライター。仕事と家事育児の両立を目指し、「頑張りすぎない程度に、頑張る」を目標に日々奮闘中。

この著者の記事一覧はこちら
関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事
トレンドライブラリーAD
連載一覧
連載一覧はこちら
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
  • シェア
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT