コロナ禍でブーム再燃、「2輪業界」5つのトレンド 今の流行は?東京モーターサイクルショー総括

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ホンダが展示したモバイルパワーパック(筆者撮影)
ホンダが展示したモバイルパワーパック(筆者撮影)

そして、交換式バッテリーとしての活用が期待されているのが、今回のショーでホンダが展示した「モバイルパワーパック」だ。商用の電動バイク「ベンリィe:」シリーズ(原付一種タイプと原付二種タイプなどがある)に採用している持ち運びも可能な小型バッテリーで、ベンリィe:シリーズでは2個搭載している。また、ブースには、バッテリー交換ステーション「モバイルパワーパック・エクスチェンジャーe:」も展示され、これらを利用したサービスの活用が期待された。

モバイルパワーパックの概要(筆者撮影)
モバイルパワーパックの概要(筆者撮影)

ちなみに2022年4月1日、先述の国内4メーカーとENEOSホールディングスの5社は、電動バイクの共通仕様バッテリーのシェアリングサービス提供と、シェアリングサービスのためのインフラ整備を目的とする新会社「ガチャコ(Gachaco)」を設立した。同社は、まず、2022年秋を目途に、ホンダの交換式バッテリーであるモバイルパワーパックe:を利用したシェアリングサービスを、東京などの大都市圏から開始することを発表。交換ステーションには、これもホンダのモバイルパワーパック・エクスチェンジャーe:を利用し、駅前などの利便性の高い場所や、ENEOSのサービスステーションなどへの設置を検討するという。また、同社は、将来的に商業施設や住宅などに設置する蓄電池などの多様な製品においても、共通仕様バッテリーの利用促進を目指すことも発表した。こうした取り組みにより、国内における電動バイクの普及が進むかどうかも今後気になるところだ。

ホンダが展示していた「ジャイロ:e」「ベンリィe:I」「ジャイロキャノピーe:」(筆者撮影)
ホンダが展示していた「ジャイロ:e」「ベンリィe:I」「ジャイロキャノピーe:」(筆者撮影)

トレンド5:アジアンバイク

タイの2輪車メーカーであるGPXの新型車、レジェンド250ツインⅢ(筆者撮影)
タイの2輪車メーカーであるGPXの新型車、レジェンド250ツインⅢ(筆者撮影)

今回のショーでは、中国や韓国、タイなど日本以外のアジアで生産されたバイクの展示も目立った。原付二種や250cc~400ccなど、小・中排気量クラスのバイクが主流で、日本製バイクと比べ比較的リーズナブルな価格も特徴だ。また、時代のトレンドを採り入れたクラシカルなスタイルの車種も多い。

例えば、タイの2輪車メーカー「GPX」を扱うGPXジャパンのブースでは、新型の「レジェンド250ツインⅢ」を展示した。234cc・2気筒エンジンを搭載するこのモデルは、バーハンドルにフラットなシート、メガフォンマフラーなどクラシカルな装備を各部に採用したネオレトロなロードスポーツだ。先代モデルの「レジェンド250ツインⅡ」をベースに、新型ではクラッチを改良。よりスムーズなシフトチェンジを可能としている。価格などは未定で、6月頃に発表される予定だが、先代モデルの価格(税込み)が49万8300円と50万円を切る価格を実現しているだけに、新型も比較的リーズナブルな設定となることが予想される。

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