説得力に欠ける人は「目」に迫力がこもっていない 心を動かす感情は万人に共通、文章力も重要だ

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「目は口ほどにモノを言う」とはまさに言い得て妙なのです(写真:tkc-taka/PIXTA)
上司や取引先、パートナーの心を動かす伝え方をしたい……そんな「伝え方」に関する悩みは、現代だけでなく、古代から人々を悩ませる切実な問題でした。「最も偉大な雄弁家」といわれる古代ローマの弁護士・キケロは、「論理的な証明は、訓練を積めば誰でもそれなりにできるようになるが、人の心を動かすには、話し手の人柄や、相手の感情に訴える要素も大切だ」と説きました。
説得力を武器に、一時期は古代ローマでカエサルと肩を並べるほどの影響力を持ったキケロ。そんなキケロが現代に残した、「伝え方を磨く方法」とは? 現代を生きる私たちにも役に立つその哲学を、『古代ローマ最強の弁護士キケロが教える 心を動かす話し方』より、一部を抜粋してお届けします。
前回:人にスルーされる言葉と心に残る言葉の決定的差(4月20日配信)
前々回:説得がヘタな人と難なく納得させる人の決定的差(4月12日配信)

説得力を決めるのは「目の表情」

なんといっても重要なのは顔の表情である。そして顔の表情は、目によって決まる。

この点において、年配の世代は実に正しかったわけだが、彼らは、ロスキウス(古代ローマで活躍した俳優)ほどの名役者であっても、仮面をつけて演技しているときには、むやみに褒めたりしなかった。

それは、演技とは心の動きを表現することであり、心の動きとは、顔にあらわれ、瞳に映し出されるものだからである。体の部分のなかで、目だけが心の機微をとらえて表現できるのであり、目をつむってそれができる者はいない。

哲学者のテオプラストスが言っていたのだが、タウリスコスという人物は、一点をじっと見つめたまま話す人のことを、よく「観客に背を向けた役者」と呼んでいたらしい。

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