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イノベーターはどっち?スタバとハーゲンダッツ 「なぜ日本でiPhone生まれない?」議論の問題点

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  • 内田 和成 東京女子大学特別客員教授、早稲田大学名誉教授
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もう1つは、現金決済に慣れた日本の消費者の購買行動を変えられなかったことである。何度も言っているようにいくら優れた技術でも製品・サービスでもユーザーが普通に使うようにならなければ、筆者たちはイノベーションとは呼ばない。

日本企業は新しい価値を生み出せないことが日本でイノベーションを起こせない原因と考えているが、真の阻害要因はせっかくのアイデアや技術をビジネスに昇華することができないことにある。

踏み込んで言ってしまえば、ビジネスにすることができさえすれば、新しい価値を生み出したのが誰であるかはどうでもよい。くどいようであるが、大事なことは新しい価値を生み出すことではなく、その新しい価値を提供した結果、顧客の態度がどう変わり、どんな行動変容をもたらしたかにある。

後発のアップルがイノベーションを起こす

もちろん、我々は新しい価値が重要でないと言っているわけではない。それなしには顧客の態度変容も起きなければ、行動変容も起き得ない。ここでは2つのメッセージを伝えておく。

1つは新しい価値を「自ら」生み出す必要はないということであり、もう1つは新しい価値というものは技術革新によってもたらされるよりは、社会構造の変化や消費者や組織の心理変化からもたらされることが多いということである。

たとえば最初に音楽を聴く習慣を変えたのはレコードであり、次に変えたのがウォークマンだとすれば、それをさらに便利にしたものがiPhoneの原型ともなったiPodである。

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【トンビが油揚げをさらう】

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