イノベーターはどっち?スタバとハーゲンダッツ 「なぜ日本でiPhone生まれない?」議論の問題点
累計20万部突破のロングセラー『仮説思考』の著者、内田和成氏は「世界の有力コンサルタント25人」に選出されたこともあるコンサルタントだ。20年以上ボストン コンサルティング グループ(BCG)に在籍した後、2022年3月まで早稲田大学教授を務めた。
早稲田大学時代最後の書籍となるのが『イノベーションの競争戦略』。内田氏のゼミ生と一緒に行ってきた研究会の成果だ。そこで明かされたイノベーションの本質は意外なものだった。それは「画期的な発明やサービスは必要条件ではない」「人々の行動を変えるのがイノベーション」ということ。今回は事例とともに、イノベーションの本質を解説していく。
プレミアムアイスクリーム市場をつくり出した
スターバックスとハーゲンダッツ、ともにアメリカから持ち込まれた商品・サービスで日本でも大成功している。
しかし、筆者がゼミ生たちと一緒に行ってきた「イノベーション研究会」で定義するところのイノベーションという観点から見ると大きく違っている。それは立ちながら、歩きながら食べる・飲むという習慣を根づかせたかどうかの違いである。
今でこそ、プレミアムアイスクリームとしての地位をほしいままにしているハーゲンダッツだが、進出当初は日本にプレミアムアイスクリームがほとんど存在せず、レディーボーデンアイスがわずかな売上(20~30億円)を占めているだけであった。
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