「ラーメン女子」を狙うワケ《それゆけ!カナモリさん》

 若年層を取り込んだ。次は女性を取り込もうという戦略をカタチにしたのが「野菜たっぷりしょうがラーメン」なのだ。同メニューは、まずは新宿パークタワー店限定だというから、実験段階ということだろう。

顧客も歳を取る。少子高齢化が進む日本市場。従来のユーザーだけを相手にしていたのでは、櫛の歯がこぼれるようにぽろぽろと消え去っていく顧客の背を、手をこまねいて見送るだけになってしまう。

また、既存顧客のニーズにだけに合わせていると、徐々に自社本来の独自性や、世の中の流れと乖離してしまう。その商品カテゴリーにおいて「アタリマエ」になっていることを疑わずにいると、新たな成長のチャンスを見失うことになる。

ここのさじかげんが大変に難しいのだが、既存顧客を大切にしつつ、ターゲットの拡張、新たなポジショニングの獲得という「命がけのジャンプ」も避けて通れないのである。

これからは、男子だけでなく、女子もまた、ラーメンに、甘酸っぱい人生模様を重ね合わせていく時代になる。ラーメン女子が紡ぐドラマもまた、ぜひ聞いてみたいものだ。

《プロフィール》
金森努(かなもり・つとむ)
東洋大学経営法学科卒。大手コールセンターに入社。本当の「顧客の生の声」に触れ、マーケティング・コミュニケーションの世界に魅了されてこの道18年。コンサルティング事務所、大手広告代理店ダイレクトマーケティング関連会社を経て、2005年独立起業。青山学院大学経済学部非常勤講師としてベンチャー・マーケティング論も担当。
共著書「CS経営のための電話活用術」(誠文堂新光社)「思考停止企業」(ダイヤモンド社)。
「日経BizPlus」などのウェブサイト・「販促会議」など雑誌への連載、講演・各メディアへの出演多数。一貫してマーケティングにおける「顧客視点」の重要性を説く。
◆この記事は、「GLOBIS.JP」に2011年2月4日に掲載された記事を、東洋経済オンラインの読者向けに再構成したものです。

 

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