「ラーメン女子」を狙うワケ《それゆけ!カナモリさん》

 

■ラーメン女子が紡いでいく人生ドラマ

 ターゲットを拡大するとどうなるのか。

最も懸念されるのは、既存顧客層の離反だ。「女子供の来る店にいけるか!」とか、「これは男の食いもんじゃねぇ!」とかである。

それは、ラーメンという商品、男性というターゲットに限ったことではない。高級志向の店が低価格商品を扱って従来と違う顧客層が押しかけた場合などを考えれば、既存顧客が離れていくことは想像に難くないだろう。そのリスク冒しても坂内は女性客を開拓しようとしているのだろうか…。

実は同社の「女子狙い」には、「その前」がある。

記事では触れられていないが、同社は来店客の「高齢化」が顕著であったという。2010年5月24日付日経MJフードビジネス欄に「喜多方ラーメン 若者客開拓へ新型店」の見出しで記事が掲載されていた。同記事によると客層は、他のラーメン店より高齢者が多く、30~40代が4分の3を占め、10~20代は2割にとどまるという。

2008年のメタボ検診法制化以降、中高年にとってカロリーの取りすぎはタブーだ。ガッツリ系を避けるようになる。自社のメイン顧客をつなぎとめようと思えば、味はそのままにボリュームを抑える方向性に走ることになる。しかしそれは、2005年ごろからブーム化し定着した「大盛りメニュー」の台頭という流れに反することになる。

同社は、メニュー、量、内装の見直しで若者の来店を促し、客層を広げる(同日経MJ)改定をした。具体的には、喜多方ラーメン、あぶりチャーシューごはん、味付け卵にゆでギョーザが付いたセットメニュー(850~890円の予定)など量が多い定食を拡充させ、「揚げチャーシューラーメン」など新メニューも加えるという施策だ。確かにその後、同社の新規出店した店舗や既存店でもランチ時には若年層の姿が目に付くようになった。

 

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カーリング人気萌芽の時代から、平昌五輪での銅メダル獲得まで戦い抜いてきた著者。リーダーとして代表チームを率いつつ、人生の一部としてカーリングを楽しめるにまで至った軌跡や、ママさんカーラーとして子育てで得た学びなどを語る。