■変わる洗濯事情、変わる洗剤
P&Gから濃縮液体洗剤の新製品「アリエールレボ イオンジェルコート」が発表された。発売は4月上旬。花王の「アタックNeo」、ライオンの「トップナノックス」とガチンコ勝負になる。しかし、その作戦は実は奇策であるといってもいいだろう。
日本における衣料用洗剤のトレンドは、洗濯機の進化と共に近年大きく変貌を遂げた。経済産業省によると、衣料用洗剤のうち液体のシェアは2003年には15%(販売金額ベース)であったが、節水型のドラム式洗濯機の普及で2009年に入って40%へと上昇。そして、2010年1~8月の累計ベースで液体洗剤がついに50%を超えた。
2010年7月16日付日経MJの記事『衣料用液体洗剤--花王「Neo」、すすぎでアタック』によると、市場規模は、「花王によると、液体洗剤の市場規模(贈答用を除く)は2009年で約670億円。08年比の伸び率は約25%にもなり、微減傾向にある粉末(約960億円)に迫っている」という。
花王の連結売上高約1兆2千億円(2010年3月期)、ライオンの連結売上高約3200億円(2009年12月期)という数字から見ても、衣料用洗剤の市場規模は、それなりのインパクトを持つ大きさであることが分かる。その中で、液体が急上昇しているのだ。
背景には、販売数量の伸びによって規模の経済が働き、従来よりも低価格化が進んだことも普及を促進したと思われるが、現在は低価格品による価格競争ではなく機能競争となっている。
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