主戦場は「濃縮液体洗剤」というカテゴリーだ。濃縮液体洗剤は従来の液体洗剤を高濃度に圧縮し、少量でも抜群の洗浄力を発揮する。繊維に残りにくく、すばやく泡切れするという特徴だ。それにより、従来すすぎを2回していた洗濯のしかたが、1回ですむようになったのである。
市場の2強は花王の「アタックNeo」、ライオンの「トップナノックス」だ。前者は日経MJ2009年ヒット商品番付の前頭1枚目に選ばれ、後者はそれを追うように発売され、2010年に同じく前頭1枚目となった。
カテゴリーの先行者である花王の「アタックNeo」は最大限その効用を訴求した。広告のキャッチコピーは「節水・節電・節時間」。すすぎ1回で水と電気の使用量を削減できる。水道代、電気代が低減できるため財布にもやさしいが、それ以上に、すすぎ1回分の10分間という時間が短縮でき、家事の負荷軽減が実現することを強調した。「機能的価値」と同時に、主婦の気持ちに訴えかける「情緒的価値」も訴求したのである。
発売時期において後れを取ることになったライオンは、価値訴求の切り口を変えた。同様に「すすぎ1回」を訴求できる商品であったが、それよりも、花王のアタックNeoに勝るとも劣らぬという「洗浄力」を前面に出し、従来の洗剤では落としにくかったニオイの元となる皮脂汚れを繊維の中まで入り込んで落とすという機能的価値を強調した。
大手3社の中では最後発となったP&Gは「アリエールレボ イオンジェルコート」でどう戦うのか。それは、同社のニュースリリースを見るとよくわかる。
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