優等生に異変?急速に進む「Netflix離れ」のなぜ 6月末までに200万人の解約を見込む事態
Netflixの共同CEOであるリード・ヘイスティングスは、長い間、広告表示の導入について否定してきたが、19日の投資家との収録対談の中で、考えが変わったことを確認した。「当社の動きを追ってくださっている人たちは、私が広告の複雑さに反対しており、サブスクリプションのシンプルさを大いに支持していることをご存じだ」とヘイスティングスは述べた。しかし、その一方で、ヘイスティングスはこう付け加えた。
「私は何より視聴者の選択の自由を尊重したいと考えている。そして、低価格を望む一方、広告に寛容な視聴者に対して、こうした人たちが求めるものを手に入れられるようにすることのほうが大切だと考えている」
これはゲーム事業への参入を含め、収益源の差別化が必要であるとの認識の表れだろう。Netflixは今週、新たなアニメ番組と、対面式カードゲーム「こねこばくはつ(Exploding Kittens)」を題材にしたモバイルゲームを発表した。
他社と比べて収益源がかぎられている
メディアとエンターテインメントを専門とする技術コンサルティング会社オンプレムの創業者ジョン・クリスチャンは、「従来は技術株として評価されていたNetflixが、より伝統的なコンテンツプロバイダーとして評価され始めている」と指摘する。「しかしNetflixは、劇場興行やスポーツ番組など、他の大手ストリーミングプロバイダーが持っている一定の利点を持っていない」。
またクリスチャンは、Netflixが加入者獲得にのみ特化していることが、同社のアキレス腱になるかもしれないと付け加えた。
「ディズニーを見てほしい」とクリスチャンは言う。「ストリーミングだけでなく、劇場、テーマパーク、消費者向け製品など、収益を多様化する方法を有しており、それがディズニーに柔軟性をもたらしている」。 さらにクリスチャンは、「Netflixは、収益を多様化するために、ほかのことにも目を向け始めなければならないだろう」と付け加えた。
また、専門家らはNetflixに必見のコンテンツが少ないことも、同社が苦戦している原因の1つだと分析する。以前、Netflixは消費者が最初に訪れるストリーミングサービスだった。