マクロン再選がフランス国民を憂鬱にさせる理由 金権・利権をさらにわが物とする大統領の実態

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社会党が、保守党と同等の豊かな政党になることで、それまでとは違った若者たちが入党してくるようになる。彼らの目的は、当然利権である。そうした世代の大統領が、サルコジやオランドであった。2人は共和党と社会党と立場は別であるが、結局利権によって豊かになるという目標では一致することになったのである。

この2つの政党は、2022年4月10日に行われた第1回大統領選で歴史的敗北を喫した。社会党のアニー・イダルゴ(得票数で10位)と共和党のペクレス(5位)の2人を合わせた投票数は、なんと6.5パーセントだったのだ。決戦投票に出るかどうかなどというレベルではなく、共和党候補も社会党候補もたんなる泡沫候補になったのだ。

前回の選挙でもこれほどではないが、同じ旧政党への支持票の激減が起きた。その理由は、社会党も共和党も大企業のための政党であり、その候補もその一味であることを国民がすでに知ってしまったという点にある。

とするならば、マクロンは白馬の騎士か。そうだとすれば、前回の選挙で信じた人々が、社会党候補のアモンでもなく、共和党のフィヨンでもなく、共和国前進のマクロンを支持したことは納得できる。白馬の騎士マクロンは、勝利し、彼の書物の題名のように、フランスに「革命」を起こしたのだ。

利権のセレブ化が進む

しかしである。国民はすぐに、彼の政治も結局共和党、社会党と同じものであることに気づく。今回も、サルコジとオランドの2人とも、共和党支持でも社会党支持でもなく、このマクロンを支持しているのだが、理由は簡単だ。マクロンが、二つの政党を乗り越え新しいフランスを創るという大義名分を主張しているが、結局それまでの利権を守ってくれる人物だということを2人とも知っているからだ。

しかも、さらにマクロンの時代になって悪くなったことがある。サルコジやオランドの時代は、利権をあさるにしてもフランス流エリートシステムの中で行われていたことであった。トップエリートが、高等教育機関のグランゼコールを出て、その知能の力で利権をつかんでいた。しかしマクロンの時代は、もはや実力主義のメリトクラシーではなく、むしろセレブのコネクションによるようになったのだ。

要するに、有名人同士の人間関係を通じた利権の再配分だ。セレブ化とは、特権的金持ちや映画俳優が通う私立学校に学び、そこでコネをつくり、そのコネで世間を渡り歩くというシステムだ。

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