冷蔵庫こそ「フードロスの原因」と断言する理由 「食べ物を保存するための装置」のはずがなぜ?

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冷蔵庫がないと食べ物がまったく買えなくなるというわけではない。私、野菜も豆腐もちゃんと買っております。つまりは普通に生鮮食品を買い、普通に自炊している。それは冷蔵庫がなくたってちゃんとできたのだった。ただ、そこにはいくつかちょっとしたコツがあるというだけのことだ。

で、その「ちょっとしたコツ」の一丁目一番地が、「食材を買いすぎない」ということである。

え、そんなことなら私もやってるって? うん、そうでしょうそうでしょう。誰だって食材を無駄にしたくないもんね。でもたぶん、あなたがイメージする「買いすぎない」ってことと、冷蔵庫を持っていない私が日々やっている「買いすぎない」ってことは、おそらくそのレベルが月とスッポンほど異なるはずである。

私の食生活の基本は「その日に買ったものはその日に食べる」。これが原則だ。実に単純な発想だが、これならば食材を保管しなくとも済むので、冷蔵庫がなくとも何の問題もなくやっていけるのだ。

「お金があるのに買えない」人生初の異常事態

ただ唯一の「難点」は、やってみて初めてわかったんだが、このようなことを始めると、どんなにキラキラしたスーパーに行っても、ほとんど何も買うことができないということなのだった。

その「買えなさ」といったら衝撃的なレベルで、仕事帰りにいつものようにスーパーに寄ったはいいものの、結局は一周しただけで何も買えずにがっくりと肩を落として出てくることも少なくなかったのである。

だってですよ、想像してみてください。

例えばある日、ハクサイを買ったとしよう。無論、買いすぎぬよう4分の1カットの小さいやつを選ぶ。それでも1日で食べきるのは100%無理だ。

そうなんです。先ほど「その日に買ったものはその日に食べる」と書いたが、それはあくまで原則というか目標であって、一人暮らしとなれば現実にはどうやっても、つまりは必死にシャクシャク食べたところでどうやってもその日にはなくならないものが多いんである――ってことがやってみて初めてわかった。

4分の1のハクサイだったら最低3日はかかる。となれば、3日間は他の野菜なんぞ買ってる場合じゃない。ってことで、スーパーに行けば特売のキャベツなどに一瞬手が伸びるんだが、いや待て待てそんなことしてる場合かとグッとこらえることになる。買ったものを腐らせぬようにするためには、とにかくそれを必死に食べきってから次を買うしかないのである。

ってなことになると、いったい何が起きるかと言いいますと、何度も言うが、ほぼ何も買えないんである。どう頑張っても一度に数百円しか使うことができない。

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