1杯8000円!「糞コーヒー」は魅惑の香り? アジアの知られざるオモシロコーヒー事情とは

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カップを逆さまにして、受け皿との間から飲むコーヒー

また、東部のスラバヤには、スリル満点の逆さまコーヒー「Kopi Walik」(コピ・ワリク)なるものがあるという。

カップを逆さまにして、受け皿との間から少しずつ唇で吸うようにして飲むそうだ。「何口かで飲み干そうとか、全部を飲みきるなんてできない。なかなかてこずるけど、スリルがあって面白いの」と話すのはNiaさん(34歳)。

コツさえつかめば、こぼすこともないらしい。なぜ逆さまにするのかというと、水に溶けないコーヒーの粉から作られているからだという。果たしておいしいのだろうか。

アジアにはまだまだオモシロコーヒーが

マレーシアでは、コーヒー、紅茶を高い位置から落とし、泡立てて入れる大会まである

このほかベトナムでは、アルミでできた独特のフィルターで10~30分くらいかけて、ゆっくり淹れるベトナム式コーヒーがある。これは、お土産としても数多く売られている。

「舗道コーヒー」と呼ばれるストリート系のコーヒーショップでは、カジュアルな格好でこのベトナムコーヒーを飲みながら、金融、政治からライフスタイルなどについて話し、通り行く人を眺めるのが流行っているのだとか。

さらにマレーシアでは、「テタレ」という紅茶と「コピタレ」と呼ばれるコーヒーがとても有名で、高い位置から落とすように泡立てる入れ方には大会まであり、そのパフォーマンスは一見の価値アリだそうだ。これらは、屋台でも飲むことができるし、聞けばネスカフェで作る「ネスカフェタレ」というのもあるらしい。

スターバックスなどのコーヒーチェーン(ミャンマーには、スタバはまだない)は、いまや当たり前のように世界中の街中に点在し、利用されている。ただ、世界有数のコーヒー生産国でもあるアジアの国々には、統一されたスタバでは味わえない、ローカルなオモシロコーヒーと失われつつあるコーヒー魂がまだまだ存在しそうである。

山本 貴代 女の欲望ラボ代表 女性生活アナリスト

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やまもと たかよ / Takayo Yamamoto

女の欲望ラボ代表、女性生活アナリスト。静岡県出身。聖心女子大学卒業後、1988年博報堂入社。コピーライターを経て、博報堂生活総合研究所上席研究員。2009年より「女の欲望ラボ」代表。主に10代から70代までの女性をネットワークし(一部男性もあり)、eメールにより本音を収集。専門は、女性の意識行動研究。2014年春より、博報堂と恊働で亜女子(アジア女子)研究のプロジェクト「博報堂亜女子会議」を立ち上げ、現在7カ国のアジア女性と日々メール文通をしている。著書に『女子と出産』(日本経済新聞出版社)、『晩嬢という 生き方』(プレジデント社)、『ノンパラ』(マガジンハウス)、『探犬しわパグ』(NHK出版)。共著に『黒リッチってなんですか?』(集英社)『団塊 サードウェーブ』(弘文堂)など多数。

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