「で、エビデンスは?」にムカッときた時の対処6つ 「心の中では相手を言い負かす」を実践しよう
さて、私がこの後、この怒りにどう対応していったのか。それをお話しする前に、怒りに対処するときに有効な「6つのプロセス」をご紹介しましょう。
怒りに有効な「6つのプロセス」
私は、怒りをおさめるのに有効な手順を、次のように「怒りケアの6つのプロセス」としてまとめています。それぞれのポイントを紹介しましょう(図も参照してください)。
「怒り」はあなたを脅かす敵を察知して出動し、あなたを力ずくで守ろうとする「警備隊長」だと考えてください。
<怒りケアの6つのプロセス>
トラブルの相手から、とりあえず「距離をとる」。席を外す、トイレに行くなど物理的な距離をおきます。もし無理ならばスマホを見たり呼吸をしたりして別のことに強制的に関心をそらし、怒りのピークをやりすごします。
自分自身に疲れがたまっていると、怒りの発動もそのぶん大きくなります。疲労の度合いが通常の2倍(2段階)なら、同じトラブルでも怒りの感情は2倍(2段階)。問題を解決しようとするよりも先に、まず自分自身が休みをとります。
相手から離れて物理的にも心理的にも安全な場所を確保できたら、心の中で、怒り(警備隊長)の言い分を聞いてあげます。そして、イメージの中で、怒り(警備隊長)のやりたいこと、例えば「相手を見張る」「相手を言い負かす」などを、思いっきりやらせてあげます。心の中で、徹底的に反撃のシミュレーションをすることで、怒り(警備隊長)は満足して落ち着きやすくなります。
ひとまず怒り(警備隊長)が落ち着いたところで、「理性」とともに「どうすればよいか」「○○さんならどう対処するか(モデルの力)」など「対応策」を考えます。怒り(警備隊長)を無理に退場させないことがポイント。怒りが再燃するようなら、何度でも①〜③に戻ります。
怒り(警備隊長)は役割をまっとうしないと、やがて根深い「恨み」に変わります。ある程度落ち着いた段階で、「このトラブルにしっかり対応できた」と実感を持てるイメージを作り上げたり、出来事の意味を総括したりします。
以上のプロセスを、行きつ戻りつしながら、怒りはやがて収まっていきます。
心のケアとは柔軟なものなので、「6つのプロセス」は確立したものではなく、怒りに対処してくための大まかな方向性と理解してください。
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