「14×17」電卓なしでパパッと暗算する超簡単な技 子どもから大人まですぐに使える「おみやげ算」

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

ここまで、おみやげ算についてみてきましたが、ほかの暗算法も紹介しましょう。それは「偶数と、一の位が5の数のかけ算」です。これには、3種類の計算法があります。

(例)14×35=

まず、1つ目。「14×35」の計算ではまず、35を「5×□」に分解しましょう。35=5×7なので、「14×35=14×5×7」と式を変形できます。「14×5=70」「70×7=490」なので、「14×35=490」と求められます。これも慣れると暗算で計算できるようになります。

次に、2つ目の方法です。「14×35」は、14を「2×□」に分解して計算することもできます。14=2×7なので、「14×35=2×7×35」と式を変形しましょう。かけ算だけの式では、数を並べかえても答えは同じ(これを「交換法則」といいます)なので、「2×7×35=35×2×7=70×7=490」と求められます。

10をつくる!?

3つ目は、「10をつくる」という方法です。「14×35」で、「14を7×2」、「35を5×7」にそれぞれ分解すると、次のように計算できます。

14×35=7×2×5×7=7×(2×5)×7=7×10×7=490

この計算法では、かけ算の結合法則(かけ算だけの式では、どこにかっこをつけても答えは同じというきまり)を使っています。「14×35」という計算について、3つの方法を紹介しました。このように複数の方法を知っておくことで、実際に計算するとき「どの計算法を使うのが最速か」という選択肢を増やすことができます。

もう一題解いてみましょう。「18×55=」は、どのように計算できるでしょうか。

「18×55=18×5×11=90×11=990」または、「18×55=2×9×55=55×2×9=110×9=990」と計算できます。

「10をつくる」計算法なら、次のように解けます。

18×55=9×2×5×11=9×(2×5)×11=9×10×11=990

おみやげ算と「偶数と、一の位が5の数のかけ算」について紹介しましたが、これらの暗算法を知っていれば、小学生から大学生にいたるまで、授業やテストで役に立つことは言うまでもありません。おみやげ算で計算できる「十の位が同じ2桁の2数をかけた数」は頻出なので、これを機にマスターしておくことをおすすめします。

また、ビジネスパーソンも知っておいたほうがよい計算法と言えるでしょう。例えば、「1600人の18%は?」という質問に対して、「288人」と瞬時に答えられるようになっておいて損はありません(1600×0.18=16×18=288)。

「スマホの電卓やパソコンがあるからいい」というのも、ひとつの考え方ですが、自力でできる計算の幅を拡げるということを選択肢に入れるのもよいのではないでしょうか。

小杉 拓也 東大卒算数・数学プロ講師、志進ゼミナール塾長

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

こすぎ たくや / Takuya Kosugi

東大卒算数・数学プロ講師、志進ゼミナール塾長。東大在学時から、プロ家庭教師、SAPIXグループの個別指導塾などで指導経験を積み、常にキャンセル待ちの人気講師として活躍。現在は、自身で立ち上げた中学・高校受験の個別指導塾「志進ゼミナール」で生徒の指導を行う。毎年難関校に合格者を輩出。指導教科は小学校と中学校の全科目で、暗算法の開発や研究にも力を入れている。数学が苦手な生徒の偏差値を18上げて、難関高校(偏差値60台)に合格させるなど、成績を飛躍的に伸ばす手腕に定評がある。おもな著書に、『小学校6年間の算数が1冊でしっかりわかる本』や、『中学校3年間の数学が1冊でしっかりわかる本』(ともにかんき出版)などがある。
 

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事