「思考が深い人」「浅い人」そもそもどこが違うのか 東大生も感動した「伝説の"論理思考"講座」後編
さて、よりよい回答・打ち手を作成するためには、しっかり「深掘り」することが重要です。
「深掘り」された課題・打ち手とは何か?
しかし、深掘りをうまく進められない場合が少なくないのが現実です。その具体例を、第2回の記事でも利用した、以下のケース問題を利用しながら、見ていきましょう。
上記の問いに対して、「会員の継続率を上げるために、入会してから間もない&利用回数が少ない人を対象とした、運動継続のフォローの連絡と相談を実施しましょう」といった方向性の打ち手を考える人を、よく見かけます。
しかし、この方向性の打ち手は、さまざまな意味で深掘りが不十分です。
・「継続率」を向上させるうえで、「フォロー」が本当に有効なのか(フォロー不足が課題なのか)
・「フォローの連絡と相談」と言っているが、具体的に何をするのか
もしくは、そもそも「深掘りしろと言われても、どのように深掘りすればよいのかわからない」と途方に暮れてしまい、単なる思いつきで「運動継続のためのフォローが必要」といった単純な打ち手を述べる人も少なくありません。
さて、上記のような、しっかり深掘りできていない打ち手に終わることを防ぐためには、どうすればよいのでしょか。
ところで、「しっかり深掘りされた打ち手・課題」とは、そもそもどんなものなのでしょうか。うまく深掘りを進めるための工夫を解説する前に、少し考えてみましょう。
まずは、以下の2つの打ち手の例を見てください。どちらの打ち手が、より深掘りされた打ち手に見えるでしょうか。
【打ち手例2】フィットネスは「固定費」の比率が高いため、すいている「平日昼」の無駄が大きい。平日昼の時間帯は、「(仕事がある)社会人」は来店できないが、「年配者」なら来店できると思われるので、年配者の客数を増やしたい。ただし、年配者は、「長期間運動をしていない」人も多いので、「運動需要の喚起」が必要である。そのため、「初心者向け」の「運動教室」を、「会員向け」と「非会員向け(※体験教室)」の両方で実施する。運動教室の内容は、長期間運動をしていない人に配慮して、「足腰への負担」が少ない内容がよい。具体的には、「水泳」を想定している。
どちらも同じ方向性の打ち手になりますが、おそらく、後者の「打ち手例2」のほうが「しっかり深掘りされている」と感じた方が多いと思います(本当に「平日昼の客数増」という課題の筋がよいのかについては、別途しっかり議論すべきですが、今回はいったん省略します)。
では、上記の2つの打ち手の違いは、何なのでしょうか。
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