「思考が深い人」「浅い人」そもそもどこが違うのか 東大生も感動した「伝説の"論理思考"講座」後編

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【Step4】逆に、すいている時間帯を検討してみる。たとえば、「平日の昼」の場合、主要客層である「社会人」が仕事で来店できないので、すいている時間帯であると思われる。
【Step5】すいている「平日の昼」に来店できそうな客層を考えてみる。たとえば、「年配者(+主婦・主夫)」であれば、平日の昼でも来店可能であると思われる。

 

あくまで一例ですが、上記のような検討を経ることで、「すいている平日昼に、年配者の客数を増やす」という初期課題に到達できます。

ところで、少し話がそれますが、上記の「Step2」の検討では、「社会人の平日1日のフロー」を具体的にイメージすることで、「平日は夕方以降しか来店できない」「仕事帰りに来店する人が多い」といった内容を洗い出しています。このように、「思考を深める」段階でも、「思考を広げる」段階と同様、「想像力」を発揮することが重要になります*。

*補足:「思考を広げる」段階では、「曖昧な利用者(全客層)」をイメージしている可能性が高いです。一方、「思考を深める」段階では、深掘りの内容・進捗に合わせて「社会人」に限定して具体的にイメージしている点が違います。

2.まとめ:なぜ意識的に「切り口を紐づけ」を行うとよいのか?

さて、上記の検討例を振り返ってみましょう。

「2つの切り口の関連性を考えてみる」だけでも、上記のように、さまざまな検討ステップが必要である点に注意が必要です。

そのため、頭の中だけで何となく検討を進めても、「2つの切り口から課題を導ける」ことに気がつく前に「別の検討へ意識が移ってしまう」ことが少なくありません*。

*補足:たとえば、上記の検討例の場合、ついつい「社会人」の立場を前提として置いてしまい、Step4の箇所で「平日昼は、仕事がある人ばかりだから、お客さんを増やせないよね」と安易に判断して検討を終えてしまう人が少なくありません。

もちろん、「思考力が高い人」や「この分野に詳しい人(上記の検討例のような検討内容をあらかじめ頭の中で整理済みである人)」であれば、頭の中で何となく考えるだけで、うまく課題に到達できるかもしれません。

しかし、それ以外の場合は、「意識的に2つの切り口を紐づけて、入念かつ網羅的に考えてみる」というプロセスを経ることが有効です。そうすることで、「切り口の関連性の検討が中途半端に終わる」ことや、そもそも「どうやって深掘りの検討を進めればよいか途方に暮れてしまう」といった状況に陥りにくくなります。

補足:「切り口の紐づけ」に関する補足事項

ここでは、「切り口の紐づけ」に関する補足事項を、いくつか確認しておきます。

補足1:紙の上にメモを取りながら考える

先ほどの検討例のように、初期課題に到達するだけでも、細かく見ていくと、多くの検討ステップを経る必要があります。

このとき、先ほど言及したとおり、何となく頭の中で考えるだけだと、途中で検討に詰まることが少なくないため、対策として、「切り口を紐づける」ことを意識することが有効です。加えて、より見落としなく検討しやすくするためには、強引に「頭の中だけ」で処理しようとせず、2軸の表などの形で「紙のメモの上に可視化」しながら考えることも有効です。

たとえば、先ほどの検討例の場合、「時間帯」×「客層」の2軸の表を「紙のメモの上に可視化」しながら検討を進めることが有効です。そうすることで、Step4の「平日昼がすいている」という検討をしているとき、「年配者」という文字がふと目に入りやすくなります。その結果、「平日の昼の客数を増やすことは困難」と安易に結論づけてしまうリスクを減らすことができます。

このように、「紙のメモの上に可視化」しながら検討を進めることで、「現在の検討箇所」や「未検討の箇所」などの全体像が可視化されるため、見落とし(安易な結論づけ・検討の終了)を自然に防ぎやすくなります。

次ページ多様な「切り口」を事前にリストアップしておく
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