錬金術師にまつわる記録には何とも驚かされる訳 世界の根源を求め、世の中を発展させたワザも

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魔術的なイメージもありますが、紛れもなき学問であり現代に大きな影響を与えました(イラスト:Macrovector/PIXTA)
差別や現代人の感覚では理解の及ばない儀式、権力の暴走、悲惨な戦争など、一見「異常」と思える出来事にも、裏には別の目的や成果が隠れていることがあります。
登録者数27万人を誇るYouTuberの世界ミステリーchが、知られざる歴史秘話を通して世界の真の姿を探った『サイコな世界史』より「錬金術」にかかわるパートを一部抜粋、再構成してお届けします。
前回:ミイラの盗掘がかつて盛んだった仰天すぎる背景(4月19日配信)

宇宙の秘密を追い求める学問としての錬金術

食欲、睡眠欲、性欲は人間の生存に関わる「三大欲求」として有名です。

しかし、「実生活での欲望」として考えると、現代社会で真っ先に思い浮かぶのは「金銭欲」でしょう。あなたも「大金を手に入れて、好きなことをして暮らしたい」と考えたことが一度はあるのではないでしょうか。

金や銀などの貴金属は昔も今も高い価値を持っています。もし、そんな金や銀を自在に作り出せるとしたら……。乱暴に言ってしまえば、この発想から生まれたものが「錬金術」です。漫画や小説、映画などのフィクションでも取り上げられることの多い錬金術ですが、実際はどのような技術だったのでしょうか。

学問として見た錬金術は、卑金属(空気中で加熱すると容易に酸化される金属)などの材料から金を作り出すだけのものではなく、「世界中のすべてのものの本質を知り、宇宙の生成の秘密までも手中に収める偉大な知識」を意味しています。

・物質はどのように構成されているのか?
・どのように変化するのか?
・人はどうすれば、それを作れるのか?
・世界の成り立ちは、どうなっているのか?

これらは錬金術師が探求した知識の一例です。

こうしたものの中の1つに「金の生成」もあり、学問としての知識の証明をするための実験の1つでもあったのです。

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