「腹式呼吸=健康」と盲信する人に欠けている視点 「胸式呼吸が悪い呼吸」という理解は間違い
②主役が肋間筋の「胸式呼吸」
肋間筋は肋骨(あばら骨)の間の筋肉で、バーベキューで言えばスペアリブのお肉部分。ワイルドな見た目と、繊細で甘みのある肉質のギャップがたまりません。
胸式呼吸は、この肋間筋といくつかの呼吸補助筋が協力して行います。肋間筋を使って胸郭を大きく広げたり狭めたりするので、胸は斜め上方向に膨らみ、肩が上下します。過剰に気構えたときに「肩に力が入る」と言いますが、まさにその通り、緊張したときに起こる呼吸です。
胸式呼吸のいいところとして、まず、酸欠状態になったときに、とにかくすばやく酸素を取り込むことができます。また、交感神経が優位になるためアドレナリンの分泌を促し、体をアクティブに動かしたり、気持ちを奮い立たせるときに意識的に用いると効果的です。
腹式呼吸を意識した呼吸法が多いなか、女性に人気のピラティスは胸式呼吸を基本にしていて、腹横筋という肋骨の周りの筋肉を刺激して、背骨や骨盤の位置を整え、インナーマッスルを鍛えたり、基礎代謝を上げる効果があると言われています。胸の呼吸は、いわば、攻めの呼吸と言えるでしょう。
ただ、一度に使う筋肉が多いので、呼吸するだけで全体酸素消費量の約35%を使ってしまうなど、安静時、日常的に行う呼吸法としては燃費が悪いのが欠点です。
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