「腹式呼吸=健康」と盲信する人に欠けている視点 「胸式呼吸が悪い呼吸」という理解は間違い

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呼吸をコントロールするうえで体の仕組みの理解が重要です(写真:teresa/PIXTA)
実は誤解をしている人が少なくない、正しい「呼吸」と「姿勢」。不調に悩まされている場合は、この2つの要素が関係しているかもしれません。呼吸器の専門医である奥仲哲弥医師の著者『不調の9割は「呼吸」と「姿勢」でよくなる!――専門医が教える自律神経が整う「呼吸筋トレ」』より一部抜粋して紹介します。


「呼吸をコントロールすることで体と心が整う」

これは人間が古くから取り入れてきた、多くの健康法に共通する概念です。古くは紀元前1000年頃に発生した気功の調息、4~5000年前から続くヨガのプラナヤマ、お釈迦様の呼吸法「アナパーナ・サチ」、禅の丹田呼吸法、最近話題のマインドフルネスの調息などなど。

これらはいつでもどこでも、気軽にできる健康法として広く実践されてきました。近年では脳科学や生理学、解剖学などの観点からの研究も進み、次々とその効果が実証されています。呼吸法はもはや信仰の延長でも伝承でもなく、科学的根拠に基づく健康法として、確立されつつあると言えるでしょう。

また、呼吸法は健康法としてだけでなく、武道や格闘技、マラソンなどのスポーツや発声法、さらには出産の際にも用いられており、一度コツを身に着ければ、日常生活から特別なシーンまで、幅広く活用することが可能な点にも、ますます注目が集まっています。

確かに、呼吸法にはさまざまな流派があり、特徴が少しずつ違います。とはいえ、呼吸を整えることでどのようなメリットがあるかについては、共通点も多いので、エビデンスがある代表的なものを挙げてみたいと思います。

□体への酸素取り込み促進
 □肺機能の向上
 □自律神経の安定化
 □代謝アップと血流改善
 □血圧の安定化
 □ダイエット効果アップ
 □ホルモンや酵素に働きかけ、内分泌腺が活性化
 □肩凝り、腰痛やひざ痛の解消
 □運動能力の増強
 □脳のパフォーマンス向上
 □集中力アップ
 □ストレス解消
 □リラックス効果

などなど……。まだまだメリットはたくさんあると思いますが、いいことづくめであることは、間違いがないようです。

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