新たな冬の風物詩、焼き牡蠣ブームの裏側

「牡蠣小屋」が日本各地で熱気を帯びる

次に「あまちゃん」の存在が挙げられる。言わずと知れた「じぇじぇじぇ」という言葉が一世を風靡した、2013年上半期に放送されたNHK連続テレビ小説である。北三陸の海女さんらをクローズアップした作品は、番組ではウニ漁であったが、結果的に東京での牡蠣小屋ブームを後押しすることになった。

もともと北三陸では以前から牡蠣漁も盛んで、牡蠣小屋が多数存在。大盛況であり、そのスタイルを、そのまま東京に持ち込んだというワケだ。当時は牡蠣小屋の中にテレビを設置し、「あまちゃん」を見ながら焼き牡蠣を味わえるという店舗も存在したほどに話題となった。

様々な産地で牡蠣の大きさや厚み、おいしさが違う

ただ、上記の2要因が牡蠣小屋ブームの素地ではあるものの、実は東日本大震災も関係している。2011年3月11日に発生した大震災は、東北地方、特に沿岸部に壊滅的な被害をもたらした。

当然、地元では牡蠣漁どころではなく、加工場や市場自体が津波などで被害を受け、営業停止を余儀なくされた。それから約4年。ようやく再開への道が開け、生産量も戻ってきている中、その復興支援という意味合いが、特に今年の東京の牡蠣小屋では強い。

東京サンケイビルの「宮城 牡蠣の家」も、しかり。こちらは宮城県農林水産部、宮城県漁業協同組合とキリンビールとの共同事業で、宮城県産殻付き牡蠣とキリン一番搾り生ビール、双方のブランディング強化という目的がある。

牡蠣の生産ナンバーワンは広島

ところで、日本における牡蠣の産地は東北に限らない。実は牡蠣の国内における生産量1位は、広島県だ。2012年度の広島県の牡蠣生産量は2万0634トン。2位の岡山県が3984トンなのと比べて圧倒的。ゆえに広島をはじめ、関西などの牡蠣小屋では広島産を用いるところも多い。

東京の牡蠣小屋で広島産が少ないのは、流通の問題があるとも言われている。広島で話題の牡蠣小屋「ミルキー鉄男」が神奈川の八景島にも限定店舗を出店しているが、こちらでは宮城産を用いている。また広島産の牡蠣は殻付きで生、もしくは焼き牡蠣用よりも、むき身でフライ、茹で用に出荷することも多い。

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