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人流などのデータを活用した新しい経済指標も生み出されている(撮影:梅谷秀司)

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経済統計を見る場合、2つの流れをつかむことが重要だ。

1つ目は「時間の流れ」。「先行指標」や「一致指標」「遅行指標」という言葉があるが、経済統計には景気を先取りしている指標、景気の動きに一致して動く指標、景気の動向から少し遅れて変化が生まれる指標がある。

いくつかの経済指標を組み合わせて内閣府が作成する景気動向指数は、先行、一致、遅行の3つの指数に分けられている。景気循環を見るうえでは鉱工業生産指数や有効求人倍率などの一致指数が注目されるが、ビジネスを先取りしたい場合は新規求人数、株価指数、機械受注などの先行指数への注目が必要だろう。なお、遅行指数には失業率などが含まれる。細かい分類はさておき、得た情報が経済変化のどのフェーズを表しているのかを意識することが重要だ。

「経済の体温」と呼ばれ注目度が高い消費者物価指数は、経済変化の「結果」であり、遅行指標となる。景気循環の最後に動くことが一般的で、逆にいえば、エネルギーや穀物の価格上昇により景気循環に先行して物価が上昇している場合は「ノイズ」だと割り切って見る必要がある。

2つ目は「分野ごとの流れ(連関)」だ。サプライチェーンを思い描けば明らかだが、完成品(最終財)を造るには部品が必要であり、その前には原材料が必要になる。得られた経済情報がどの分野に影響を与えるかを予想することで、経済の流れが見える。日銀短観では業種別の景況感指数が得られるが、化学や鉄鋼などの素材系業種が川上、電子部品などが川中、電気機械などが川下に当たる。企業物価指数(BtoB)から消費者物価指数(BtoC)への価格波及も「流れ」の一種だ。

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