2月、「お金」にまつわるちょっとしたニュースが駆け巡った。日本銀行によると、1月の硬貨流通量は前年同月比0.1%減の5兆0394億円となり、実に2012年5月以来、約10年ぶりの減少を記録したのだ。
1円玉から100円玉までは以前から前年割れだったが、大幅な増加を続けていた500円玉も前年同月比伸び率が急低下し、2月には0.2%減と前年を下回った。ニッセイ基礎研究所の上野剛志上席エコノミストは「小口決済がメインであるQRコード決済や電子マネーの利用が伸びたことに加え、1月にゆうちょ銀行が硬貨の預け入れ手数料を導入したことも影響したのではないか」と指摘する。
海外より出遅れていた日本のキャッシュレス化も着実に進みつつあることを示すニュースだ。
一方、お金の世界をめぐっては、暗号資産関連のニュースも途切れることがない。相変わらずの価格乱高下を見せるビットコインに加え、米ドルなど法定通貨に価値をひも付けた暗号資産「ステーブルコイン」の発行急増や、中央銀行が発行するデジタル通貨「CBDC」計画への注目も高まっている。
新しい便利なお金の登場はうれしい限りだ。しかし、たくさんの新顔が現れ、技術革新も激しいため、私たちのお金の将来像は混沌としているように見える。時々刻々と変化するニュースのポイントをいかに押さえていけばいいのか。
貨幣の種類は2つだけ
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