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「外貨が紙切れになるリスクを考えるべきだ」 国際派エコノミストが語る経済の読み方

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新潟県立大学 国際経済学部教授 中島厚志(なかじま・あつし)1952年生まれ。75年東京大学法学部卒業後、日本興業銀行入行。パリ支店長、パリ興銀社長、みずほ総合研究所専務執行役員調査本部長、経済産業研究所理事長などを歴任。2020年4月から新潟県立大学国際経済学部教授。(撮影:今井康一)

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ウクライナ情勢が深刻さを増す中、世界経済にもたらす影響はどれほどか。また、東西分断が進む中、日本はどう対処すべきなのか。経済産業研究所の前理事長で、国際派エコノミストとして知られる新潟県立大学教授の中島厚志氏に聞いた。

──ウクライナ情勢に伴う欧州のエネルギー問題をどうみますか。

NY原油先物取引(WTI)が1バレル=120ドルの場合、消費者物価指数(CPI)には1%以上のプラスインパクトがある。140ドルなら3%近いインパクトがあってもおかしくはない。

欧州がエネルギー不足に陥るというのははっきりしたメッセージだ。ドイツのショルツ首相は「ロシアからのエネルギー輸入をやめることはできない」と発言しているが、これはそれだけ依存が大きいからだ。ロシア産の天然ガスをドイツに運ぶパイプライン「ノルドストリーム2」の承認作業を停止したことは、ロシアから来るものを遮るという意味では「よくやった」となるかもしれない。だが、生命線の1つなので輸入を絶つのは難しい。代替策として石炭火力発電を再開するのは当然として、今年末で廃止する予定の原発3基の稼働延長や、昨年末でやめた3基の再稼働も否定はしていない。

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