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交換所ビジネスの第2幕 「冬の時代」を乗り越えた

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暗号資産の売買ができる交換所。かつての勢いを取り戻せるか。

イラスト:髙栁浩太郎

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暗号資産交換所大手の広告合戦が再び激しくなっている。最大手のビットフライヤーは、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志氏を起用した新テレビCMを昨年末から放映。俳優の松田翔太氏が出演するコインチェック、芸人のスギちゃんを抜擢したGMOコインなどを追う。各社が狙うのは暗号資産未経験者や投資余力のある30〜40代男性の取り込みだ。

広告合戦の背景には、価格上昇に伴って暗号資産に対する世間の関心が再び強まったことがある。2021年末のビットコイン価格は年初の約1.6倍となった。日本暗号資産取引業協会の最新統計によると、21年11月時点で国内交換所の口座数は535万と前年同月比4割増に。顧客の入金状況が反映される預かり資産を見ても、大手各社で伸びている。

規制対応が一巡したことも、攻めの姿勢につながっている。580億円相当の暗号資産が不正流出した18年のコインチェック事件後、交換所各社は金融庁から業務改善命令を受けた。暗号資産の保管体制や内部統制の強化を求められ、整備のための管理費用が一気に膨らんだ。その反面、相場は18年から2年半近く低迷し、交換所は経営に苦しんだ。

現在の広告合戦は、この「冬の時代」を乗り越えて前を向く余裕が生まれてきた証左だろう。金融庁も「一時期は『CMなどけしからん』という態度だった」(大手交換所幹部)というが、交換所の体制整備が進むにつれて、姿勢を軟化させたように見える。

規制強化でコスト増

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