有料会員限定

交換所ビジネスの第2幕 「冬の時代」を乗り越えた

✎ 1〜 ✎ 14 ✎ 15 ✎ 16 ✎ 最新
拡大
縮小

暗号資産の売買ができる交換所。かつての勢いを取り戻せるか。

イラスト:髙栁浩太郎

特集「全解明 暗号資産&NFT」の他の記事を読む

暗号資産交換所大手の広告合戦が再び激しくなっている。最大手のビットフライヤーは、お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志氏を起用した新テレビCMを昨年末から放映。俳優の松田翔太氏が出演するコインチェック、芸人のスギちゃんを抜擢したGMOコインなどを追う。各社が狙うのは暗号資産未経験者や投資余力のある30〜40代男性の取り込みだ。

広告合戦の背景には、価格上昇に伴って暗号資産に対する世間の関心が再び強まったことがある。2021年末のビットコイン価格は年初の約1.6倍となった。日本暗号資産取引業協会の最新統計によると、21年11月時点で国内交換所の口座数は535万と前年同月比4割増に。顧客の入金状況が反映される預かり資産を見ても、大手各社で伸びている。

規制対応が一巡したことも、攻めの姿勢につながっている。580億円相当の暗号資産が不正流出した18年のコインチェック事件後、交換所各社は金融庁から業務改善命令を受けた。暗号資産の保管体制や内部統制の強化を求められ、整備のための管理費用が一気に膨らんだ。その反面、相場は18年から2年半近く低迷し、交換所は経営に苦しんだ。

現在の広告合戦は、この「冬の時代」を乗り越えて前を向く余裕が生まれてきた証左だろう。金融庁も「一時期は『CMなどけしからん』という態度だった」(大手交換所幹部)というが、交換所の体制整備が進むにつれて、姿勢を軟化させたように見える。

規制強化でコスト増

関連記事
トピックボードAD
連載一覧
連載一覧はこちら
トレンドライブラリーAD
人気の動画
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】新興国化する日本、プロの「新NISA」観
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
【田内学×後藤達也】激論!日本を底上げする「金融教育」とは
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
TSUTAYAも大量閉店、CCCに起きている地殻変動
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
【田内学×後藤達也】株高の今「怪しい経済情報」ここに注意
会員記事アクセスランキング
  • 1時間
  • 24時間
  • 週間
  • 月間
特集インデックス
全解明 暗号資産&NFT
次世代のトレンドになるか
フェイスブック 味澤将宏/クラスター 加藤直人/サードバース 國光宏尚
バーチャルの世界で一獲千金のチャンス
かつての「セカンドライフ」とは違う
「NFT」にかける大手ネット企業の真意/GMOインターネット 会長兼社長 熊谷正寿
「NFT」にかける大手ネット企業の真意/ミクシィ 社長 木村弘毅
草の根的に急拡大
広がるNFT・メタバース経済圏
ビットコインとは一線画す
デジタル証券で投資家保護に弾み
1年で時価総額は4.5倍の17兆円に
価格の変動が起きる「3つのサイン」
2大交換所の創業者を直撃!/コインチェック 大塚雄介
2大交換所の創業者を直撃!/bitFlyer 加納裕三
「冬の時代」を乗り越えた
二極化する暗号資産投資家
これからの投資・ビジネスに欠かせない
全解明 暗号資産&NFT
メタバース革命が始まる
トレンドウォッチAD
東洋経済education×ICT
有料法人プランのご案内