
“Code is Law(コードこそが法律である)”──。
米国の法学者ローレンス・レッシグ氏が、サイバー空間における統治のあり方に一石を投じたのが2000年代初頭。ソフトウェアのソースコードは人々の行動を規定し、法規則と同じ重要性を持つと論じた氏の説は、今でも政策当局者や専門家がたびたび引き合いに出す「格言」として知られる。
一方で、現在のインターネットは「GAFA」の寡占状態となっている。“Code is Law”の決まりに従えば、コードを支配するGAFAには、誰もあらがえなくなっているのが現状だ。
そうした構図へのカウンターアクションとして生まれた概念が「ウェブ3.0」だ。昨年ごろから暗号資産やブロックチェーン業界の関係者が使い始めた。08年のリーマンショック後、既存の金融システムへの不信や不満に応えるかのように、ビットコインが誕生した経緯と重なる面も多い。
ウェブ1.0はユーザーが読むだけの簡単な情報だったが、ウェブ2.0ではユーザー自身が自分で情報を発信できるようになった。ウェブ3.0はそこからさらに進み、ユーザーにデジタル情報の所有権がもたらされるようになった。特集で触れてきた「NFT(非代替性トークン)」(→関連記事へ)は、その象徴的な存在といえるだろう。

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