投資家だけでなくビジネスの世界でも、暗号資産やNFT(非代替性トークン)などに対する理解が不可欠となってきている。ニュースなどでよく目にする専門用語について、主要な5項目をわかりやすく解説する。
1. 暗号資産&ブロックチェーン
暗号資産は、銀行などの第三者を介さずにインターネット上でやり取りできる「財産的価値」を指す。謎の人物「サトシ・ナカモト」の理論を基に、2009年に誕生した「ビットコイン」が暗号資産の始祖だ。ビットコインの時価総額は直近で約8000億ドル(約90兆円)に上り、トヨタ自動車の株式時価総額の2倍を超える。
ブロックチェーンは、ビットコインを支える基幹技術として誕生した。ビットコインには国や中央銀行などの発行主体や特定の管理者がいない。その代わりに、ネット上にいる不特定多数のマイナー(採掘者)と呼ばれる人たちが取引の承認作業を担い、台帳にとじていくように記録が保存される。ゆえにブロックチェーンは「分散型台帳」と呼ばれている。台帳にある過去の記録は削除・改変ができないという特徴がある。
日本では資金決済法で暗号資産が定義されている。日本円や米ドルなどの法定通貨と交換できたり、電子的に移転できたりするなどの性質を持っていれば、暗号資産となる。一般には「仮想通貨」のほうがなじみ深いが、法定通貨と誤認する可能性を踏まえ、20年5月の改正資金決済法の施行を機に暗号資産へと呼称が変わった。
既存のブロックチェーンを使って発行される暗号資産は、「トークン」と呼ばれる。トークンは金融史において「代用貨幣」(古代に使われた粘土板などが該当)との意味で用いられる。ビットコインおよび暗号資産で時価総額2位の「イーサリアム」以外の暗号資産を指す言葉としても使われる。
イーサリアムの「ガス代」
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