サッポロが「極ZERO」でこじあけた突破口 プレミアムビールは「多種多彩」の競争に

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さて、2014年におけるビール系飲料のもうひとつのニュースといえば、プレミアムビールの激戦でしょう。

サッポロビールの「ヱビスビール」とサントリーの「ザ・プレミアム・モルツ」の2強に、アサヒビールがギフト専用だった「アサヒスーパードライ ドライプレミアム」を定番商品として投入、プレミアムビール市場へ本格参入したことで大きな話題となりました。

「ゴールド一色」では芸がない

この3つの商品のパッケージの基調は高級感のあるゴールド。ここにPB系のプレミアムビールが入るとビール売り場一帯が金色に……。ある時から売り場が妙にゴージャスに見えるようになりました。とはいえ皆が皆、金色ではせっかくのプレミアム感が際立ちません。そこで次に行われたのが、期間限定、数量限定のエクステンション合戦です。 

プレミアムビールの代表格「ヱビスビール」は期間限定の「琥珀ヱビス」をはじめコンビニ限定「ロイヤルセレクション」、ギフト限定「夏のコク」などを投入。「ザ・プレミアム・モルツ」は期間限定の「<コクのブレンド>」や「<香るプレミアム>」を投入し、ブランド価値向上に努めています。アサヒも「アサヒスーパードライ ドライプレミアム」の期間限定品、「初仕込みプレミアム」を投入し年末年始の売り場を盛り上げます。

落葉樹が紅葉するように、売り場に並ぶ商品も季節によって色を変える。金色の中に赤や青、白などの挿し色が入ることで、ビール売り場はより華やかになりました。

新ジャンルなどに比べて価格訴求の難しいビールの場合、本質的なおいしさを打ち出す方向に各社が注力しており、特別感のあるプレミアムビールやそれに付随したエクステンションの展開は、来年以降も続いていくだろうと推察されます。

ビールはなんだかんだいっても食事に合わせやすく、日本人が最も飲みなれてきたお酒です。「とりあえずビール!」世代としては、ビールにもっと頑張ってもらいたいもの。年越しそばの横にビールを置いてみようかな…そんなことを考える年の瀬です。

石山 真紀 フリーライター・売り場研究家

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いしやま まき / Ishiyama Maki

法政大学卒業後、食品企業で販売の現場に携わる。その後、流通コンサルタント企業へ転身。結婚による退職後、物流業界新聞社、流通業界雑誌社を経て、2008年よりフリー。現在は流通専門誌や弦楽器専門誌などでも取材・執筆・編集に携わるほか、売り場づくりやマーチャンダイジングの研究も行っている。
 

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