日本のウイスキー誕生を支えたニッカウヰスキー創始者の竹鶴政孝がモデルとなったNHK連続テレビ小説「マッサン」のヒットによる影響もあり、国産ウイスキーへの注目が高まっています。
2014年はニッカウヰスキー誕生80周年。発売元のアサヒビールといえばもちろん「アサヒスーパードライ」の存在感が大きいのですが、同社は年初から主力である「ブラックニッカ」ブランドや、竹鶴政孝の名前を冠したピュアモルトウィスキー「竹鶴」など、国産ウイスキーのマーケティングに力を入れてきました。ドラマの好調にも支えられ、現在「竹鶴」は品薄が出るほどの人気、ニッカウヰスキー余市蒸溜所にも多くの観光客が訪れているといいます。
ハイボールブームの端緒はサントリー
以前は父の日や年末年始のギフト需要が中心だったウイスキーですが、近年のハイボールブームによりウイスキーはすっかり身近な存在になりました。
ブームの火付け役は皆さんご存じのサントリー「角瓶」。同社は国内のウイスキートップメーカーとして、飲食店や店頭での販促、広告などのコミュニケーションを行い、その相乗効果によって現在も市場を牽引しています。TVCMや交通広告で見かける井川遥さんの優しい笑顔に癒されているビジネスパーソンも多いのではないでしょうか。
今やサントリーの「角瓶」はスーパーやコンビニ、ディスカウントストアはもとより、食品・酒を扱うドラッグストアやホームセンターでも見かけます。定番棚と呼ばれる通路側での陳列に加え、中通路や主通路に面したエンド棚にどーんと積まれた黄色いラベルは地域を問わず見慣れた光景となりました。
ハイボールの存在は「大人の男性が食後に楽しむもの」という従来のウイスキーのイメージをがらりと変えました。食事にも合わせやすいハイボールはプリン体を気にするお父さんから、アルコール離れが進むという若者、ウイスキーに苦手意識のある女性をも取り込んでいます。
ここ数年「角瓶」の独壇場だったウイスキー売り場ですが、ドラマ効果によりウイスキーカテゴリー全体への注目が高まりました。「ニッカ」ブランドをはじめとする「マッサン」vs.「角瓶」ともいえる、ウイスキーメーカー間の激戦が、今まさにさまざまな売り場で繰り広げられています。
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