ニトリ社長、「これまでは値下げをしすぎた」 それでも好調、28期連続の増収増益は射程圏

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ニトリホールディングスの似鳥昭雄社長は「28期連続増収増益は確実だ」と断言(撮影:今井康一)
北海道を地盤に全国に300店舗以上を展開する、家具・インテリア製造小売りチェーンであるニトリホールディングスが快走を続けている。2014年2月期は急激な円安で仕入れ原価が上昇し、一時は前年超えが危ぶまれたものの、27期連続増収増益を達成した。
今年度もその勢いは衰えない。消費増税、円安という逆風下でも、中間期(3~8月)は売上高が前年同期比約13%増の2108億円、営業利益も同20%増の374億円と伸びた。上期の既存店売上げは6%増、客単価も5.5%増と上昇するなど、28期連続の増収増益が視野に入る。
こうした好調の背景にあるのが、従来の「値下げ宣言」を“封印”した新戦略だ。円安が進み経営環境が変化したにもかかわらず、なぜ右肩上がりの成長を続けられるのか。似鳥昭雄社長を直撃した。

 

──以前に比べて高価格帯の商品を増やしている。

2008年のリーマンショック後から値下げを3カ月ごとに8回してきた。それによって顧客層が年収200万円から500万円ぐらいに偏った。昨年の下期から中の上ぐらいの商品開発を増やし、年収800万円ぐらいの顧客に引き上げる戦略がうまくいっている。これまでは値下げしすぎたと反省している。

たとえば3人用ソファだと従来は約4万9000円がプライスポイント(売れ筋)だったが、今は約7万9000円に上げている。近く約19万9000円する最高価格帯のソファも発売する予定だ。

──商品の中身そのものも変えている?

勘違いしている人が多いが、同じモノを高くしているわけではない。座り心地のいいソファを新たに開発するなど素材から見直し、安心・安全にも力を入れている。これまでは安さだけに集中して品質向上の努力が足りなかった。もちろんこれからも安さを追求はするが、「安かろう悪かろう」では困る。品質重視で作った商品は、顧客からもいい評判を得ている。

たとえば、座り易いソファ、寝心地のいいベッドを商品化している。ベッドもソファも固めの方がいいという人が少なくないが、それは逆だ。固めというのは日本独特で、若い時はいいが、歳をとると腰痛と肩こりの原因になってしまう。固めだと耐圧が偏ってかかってしまうから、やっぱり身体にフィット した方がいい。ニトリでは耐圧が全部均等になるように欧米型に変えている。

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