ニトリ社長、「これまでは値下げをしすぎた」 それでも好調、28期連続の増収増益は射程圏

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縮小

──開発輸入品が8割を超え、円安は逆風になるはずだが。

にとり・あきお●1944年生まれ。北海学園大学卒。67年「似鳥家具店」を札幌で創業。全国トップの家具・インテリア製造小売りチェーンに成長。(撮影:今井康一)

為替予約を早めにしている。今年度は1ドル99円、来年度も101円で固めており、影響は緩和できる。1ドル100円ぐらいが適正だと思うが、120円までは対応できる。

原材料なども交渉できるものはすべてやっている。ベッドやソファはコイルから開発することで、大幅な原価低減を実現した。取引先や生産国もつねに最適なところに変更している。28期連続増収増益は確実だ。

――新業態の展開についてはどう考えているのか。

衣食住でいうと、住関連はほかのフォーマットでやるかもしれないし、やらないかもしれない。ただ衣と食は全然考えていない。業態がまったく違うと思っているからだ。

「死ぬまでかかわり続ける」

──国内の家具市場は縮小傾向にある。今後の展望は。

長期ビジョンでは3000店。ニトリはまだまだ増える?(撮影:尾形文繁)

当社でもかつては売り上げの100%が家具だったが、現在は43%に下がっている。一方で(雑貨などの)ホームファッションが過半を占める。ソファ、ベッドなどの脚物はまだ売れるものの、(タンスなどの)箱物は住宅で不要になってきている。

日本はオーバーストア状態で、淘汰が起こるのは必至だ。当社は、国内で今後5~6年は30~40店ペースで出店するが、その後はだんだん少なくなる。一方、海外は出店を増やす。長期ビジョンでは2032年に国内外で3000店(2014年8月末で国内320、海外23)にする計画だ。その時点で海外比率は7割を目指しており、現在は月に10日ほど海外へ出張し、店舗開発と商品開発を急いでいる。

――3000店への拡大は途方もない夢のように感じるが。

夢ではない。ビジョンだ。必ずやる。私の乗っているクルマの車体番号も3000だ。それは決意と覚悟を示している。そのとき私は80歳代で相談役や顧問になっているかもしれないが、オーナーに変わりはない。死ぬまでかかわり続ける。現役でやる。引退は死ぬときだ。

週刊東洋経済2014年11月22日号「この人に聞く」に一部加筆

冨岡 耕 東洋経済 記者

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とみおか こう / Ko Tomioka

重電・電機業界担当。早稲田大学理工学部卒。全国紙の新聞記者を経て東洋経済新報社入社。『会社四季報』編集部、『週刊東洋経済』編集部などにも所属し、現在は編集局報道部。直近はトヨタを中心に自動車業界を担当していた。

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