三菱ケミカルの哲人経営者が退任する意味

同友会人事で早まった小林喜光社長の退任

2015年4月に退任が決まった小林喜光社長(左)と、社長に就任予定の越智仁氏(右)(撮影:梅谷秀司)

三菱ケミカルホールディングスの名物経営者だった小林喜光社長の退任が決まった。後任社長には、三菱レイヨンの越智仁社長の就任が発表された。

理論派で鳴らし、「哲人経営者」とも呼ばれた小林氏は2015年4月の経済同友会代表幹事への就任が内定しているが、すでに引っ張りだこの状態だった。2007年から三菱ケミカルホールディングスの社長の座にあったが、2011年に同友会の副代表幹事に就任し、2012年には東京電力とジャパンディスプレイの社外取締役に就き、2013年1月から2014年9月まで東芝の佐々木則夫社長(当時)とともに経済財政諮問会議のメンバー入り。以降も産業競争力会議のメンバーは続けている。また、2014年5月から日本化学工業協会の会長にも就いていた。

財界の名物経営者の退任

このことから、12月初めの小社単独取材に対しても「いずれ整理しなければいけない。時間的にもう全部はやれないでしょう」と限界をほのめかしていた。社長を退任し会長に就くのは2015年4月。同友会代表幹事就任と同時の就任となる。

今回、越智氏にホールディングス社長就任を依頼したのは12月5日だという。3~4年前から後任を考え始め、いろんな人が候補に挙がっては消えたが、最終的に決めたのは、バランス感覚があり、手堅い仕事をする点を評価した越智氏。タイミングは「代表幹事を受ける覚悟をしたとき」(小林社長)だった。現行の経営計画が2015年度までで、新中計策定のタイミングにも来ており、「新しい経営計画は構想段階から新しいリーダーのもとでつくるのが望ましい」という判断もあった。「非常にドライに人事通知のように言われた」とは越智氏。レイヨン社長就任時に続く、2度目のサプライズ依頼だった。

小林社長の改革で有名なのは2011年末に発表されたグループ会社社長のシャッフル人事。三菱ケミカルホールディングスには、三菱化学と三菱樹脂、田辺三菱製薬、それに2010年から三菱レイヨンが傘下入りしているが、この統合を加速するために取った策が、三菱レイヨン生え抜きの姥貝卓美専務が三菱樹脂社長に就き、三菱レイヨン社長に就いたのが、三菱化学で経営戦略担当役員だった越智氏だったのだ。

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