ダイバーシティの一部にすぎない女性活用 企業パフォーマンスを上げるためのダイバーシティ・マネジメント①
日本でも「ダイバーシティ」に取り組む企業が増加してきた。だが、ダイバーシティに詳しいアパショナータ代表のパク・ジョアン・スックチャ氏は日本企業の取り組みには問題も多いと言う。
この問題とは何なのだろうか。そして日本企業はどのようにダイバーシティに取り組んでいけばよいのか。パク氏が詳しく解説する。
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普段のコンサルタントの仕事などで多くの日本企業の方にお会いするが、「ダイバーシティ」というと「女性活用」だと思っている人が非常に多い。「女性」は数多くあるダイバーシティの属性の1つであり、それがすべてではない。こうした考えが一般的なのはダイバーシティについてきちんと理解していないためである。
まず、ダイバーシティへの基本的知識を高めていただきたい。そして、ダイバーシティがどのように会社の成長やメリットへつながっていき、なぜ、日本企業にダイバーシティへの取り組みが不可欠になっているのか理解を深めていただきたい。
ダイバーシティは一言で表すと、「社員の多様性を活かして、企業メリットにつなげる経営戦略」である。
基本的な考え方は以下の3つだ。
(1)個々人の「違い・異質なこと」を認め受け入れ、それらの違いに価値を見つけること。
(2)多様な社員の能力、アイデア、経験や視点をベストに活用することによって組織に貢献できるようにすること。
(3)評価では、仕事に関係のない性別、国籍や価値観などにとらわれず個人の能力や実績だけを考慮すること。そのためダイバーシティは「能力主義」と同じ考え方だと言われている。
しかし、単に「多種多様な人材」を採用するだけでは、かえって仕事の質や生産性を低下させる危険性が高まる。そこで、ダイバーシティを適切に管理(マネージ)する仕組みや環境が不可欠だ。
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