ダイバーシティの一部にすぎない女性活用 企業パフォーマンスを上げるためのダイバーシティ・マネジメント①
ダイバーシティ・マネジメントの目的は、さまざまな特質を持つ社内の全人材を活用し、競争が激化するビジネス環境の中で企業のパフォーマンスを向上させていくことである。そのためにはどのような環境、制度や風土などが必要なのかを考えなくてはいけない。
ダイバーシティ発祥の地はアメリカだ。当初は女性や有色人種などマイノリティの機会均等として進められてきたが、1990年初期ごろから組織のダイバーシティへの関心が高まってきた。そして2000年以降は、ヨーロッパ諸国でもダイバーシティを経営戦略として掲げ、積極的に取り組む企業が急増してきた。キーワードは「変化」である。
ITの進展とグローバル化が進む中、世界の社会経済に「加速度的な変化」が起こり、企業が前進するためにはそれらの変化に効果的に対応しなくてはならない。革新的な企業はダイバーシティを「生き残りを懸けた変化への戦略的対応だ」と言い強固に推進している。
さて、冒頭でも述べたダイバーシティの属性は下記の2つの要素からなる(図参照)。
第1要素 内側の輪:年齢、性別、国籍、人種、障害、性的嗜好
第2要素 外側の輪:雇用形態、婚姻状況、趣味、収入、親の地位、出身地、価値観など、無限大
一般的に、性別や年齢といった外見に出てきやすい第一要素だけがダイバーシティの要素ととらえられがちだが、多様性の要素は外見だけでなく複雑で幅広い。そしてこれら多くの要素が私たち一人ひとりを作り上げているため、一人として自分とまったく同じ人はいない。
また同じ人でも状況などによって違ってくる。誰の基準で「違う」のかを見極めて、女性か男性かといった狭い見方でなく、幅広い視点でダイバーシティをとらえることが重要である。
パク・ジョアン・スックチャ
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