処方箋争奪戦が勃発! 火種は調剤ポイント
一方、大手調剤薬局もポイント導入のタイミングをうかがっている様子。調剤単体ではポイントの使い道はないが、小売り系と提携していれば話は別だ。
たとえば、セブン&アイ・ホールディングスと資本提携するアインファーマシーズなら、調剤をセブンの電子マネー「ナナコ」のポイント対象にすることも可能。「グループの店舗数はマツキヨの何倍もあり、有利に働く」(大谷喜一社長)。さらに、クオールも、ローソンで使用できるポイントカードの導入を検討している。
大手調剤薬局もドラッグストア同様、近年は課題を抱える。従来、出店を進めてきた病院近隣の好立地は飽和状態。顧客を囲い込めるポイントサービスは街中まで出店の選択肢を広げる飛び道具になると見る。
そのためには、ためたポイントが使える企業との提携が必須。「ポイントで儲かるのは調剤薬局と提携した小売り業」(野村証券の繁村京一郎シニアアナリスト)との見方もあり、ドラッグストアから「当社と組めばいいのに」(ツルハHDの鶴羽樹社長)との声も聞こえてくる。
09年の薬事法改正前後には医薬品販売のノウハウを得るため、ドラッグストアと調剤薬局、コンビニなど業界の垣根を越えた提携が相次いだ。現在は薬剤師など資格者の人件費問題などから活発な提携は沈静化しているが、ポイント導入を機に、再編機運が再び高まる可能性もある。