アマゾンは、なぜ出版社を「格付け」するのか チャン社長「ぜひともビジョンを共有したい」
山田:出版社の理解は深まりつつありますか。
チャン:そう望んでいます。もちろん出版社の中にはアグレッシブなところもあれば、そうでないところもあります。いずれにしろアマゾンには世界中で得た膨大な知見があります。それを出版社と共有できれば、と思います。
生鮮食品の宅配も検討課題
山田:2015年、日本法人が力点を置くポイントとは?
チャン:ファッション分野など、新たに開始したカテゴリの品ぞろえを増強していきます。また顧客の受け取り拠点を拡充していきたいと思います。ヤマト運輸の営業所で受け取れるようにし、コンビニでの受け取りも便利にしましたが、まだまだやるべきことがあると考えています。
山田:ヤマトなど物流業者は不在宅への再配送に苦しんでいる。受け取りポイントを増やすことはその解決策のひとつになります。
チャン:そのとおりです。顧客にとってもメリットがありますし、物流業者にとってもメリットがあります。受け取りについては、ローソンとの提携は画期的なものでした。ローソンでは、受け取りにかかる時間を4分15秒から1分15秒に短縮することができました。
山田:生鮮品を配達する「アマゾンフレッシュ」を日本でも準備していますか。
チャン:日本でも当然、検討しています。とくに人口が密集している都市部において、生鮮食料品を配達するサービスは、非常に重要な分野だと考えています。
山田:自前で品ぞろえを進めますか。それとも、マーケットプレイス型で進めますか。
チャン:アマゾンは自前でのリテールとマーケットプレイスをミックスでやっているところがユニークなのです。これまでも、ほとんどのケースで両方をやっています。いちばん最適なものを構築します。
山田:最後の質問ですが、2015年にスマートフォンのファイヤフォン(Fire Phone)を日本で発売しますか。
チャン:ファイヤフォンは将来、重要なエリアになります。今、売られている機種が最初のバージョンなので、次のバージョンが出るときなどには検討課題になると思います。いつ発売するかといった将来のことについては言えませんが、この分野はグローバルに行う重要な事業です。
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