アマゾンは、なぜ出版社を「格付け」するのか チャン社長「ぜひともビジョンを共有したい」

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山田:出版社の理解は深まりつつありますか。

チャン:そう望んでいます。もちろん出版社の中にはアグレッシブなところもあれば、そうでないところもあります。いずれにしろアマゾンには世界中で得た膨大な知見があります。それを出版社と共有できれば、と思います。

生鮮食品の宅配も検討課題

11月に行われたローソンとの提携会見。写真中央がチャン社長(撮影:梅谷秀司)

山田:2015年、日本法人が力点を置くポイントとは?

チャン:ファッション分野など、新たに開始したカテゴリの品ぞろえを増強していきます。また顧客の受け取り拠点を拡充していきたいと思います。ヤマト運輸の営業所で受け取れるようにし、コンビニでの受け取りも便利にしましたが、まだまだやるべきことがあると考えています。

山田:ヤマトなど物流業者は不在宅への再配送に苦しんでいる。受け取りポイントを増やすことはその解決策のひとつになります。

チャン:そのとおりです。顧客にとってもメリットがありますし、物流業者にとってもメリットがあります。受け取りについては、ローソンとの提携は画期的なものでした。ローソンでは、受け取りにかかる時間を4分15秒から1分15秒に短縮することができました。

山田:生鮮品を配達する「アマゾンフレッシュ」を日本でも準備していますか。

チャン:日本でも当然、検討しています。とくに人口が密集している都市部において、生鮮食料品を配達するサービスは、非常に重要な分野だと考えています。

山田:自前で品ぞろえを進めますか。それとも、マーケットプレイス型で進めますか。

チャン:アマゾンは自前でのリテールとマーケットプレイスをミックスでやっているところがユニークなのです。これまでも、ほとんどのケースで両方をやっています。いちばん最適なものを構築します。

山田:最後の質問ですが、2015年にスマートフォンのファイヤフォン(Fire Phone)を日本で発売しますか。

チャン:ファイヤフォンは将来、重要なエリアになります。今、売られている機種が最初のバージョンなので、次のバージョンが出るときなどには検討課題になると思います。いつ発売するかといった将来のことについては言えませんが、この分野はグローバルに行う重要な事業です。

山田 俊浩 東洋経済 記者

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やまだ としひろ / Toshihiro Yamada

早稲田大学政治経済学部政治学科卒。東洋経済新報社に入り1995年から記者。竹中プログラムに揺れる金融業界を担当したこともあるが、ほとんどの期間を『週刊東洋経済』の編集者、IT・ネットまわりの現場記者として過ごしてきた。2013年10月からニュース編集長。2014年7月から2018年11月まで東洋経済オンライン編集長。2019年1月から2020年9月まで週刊東洋経済編集長。2020年10月から会社四季報センター長。2000年に唯一の著書『孫正義の将来』(東洋経済新報社)を書いたことがある。早く次の作品を書きたい、と構想を練るもののまだ書けないまま。趣味はオーボエ(都民交響楽団所属)。

 

 

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