なぜアマゾンは、スマホに参入したのか?

アマゾンのスマホ戦略を分析する

本連載は、グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾンに関するトピックを1つないし複数採り上げながら、米国・シリコンバレーを中心とするIT事情を定点観測的にお伝えしていく。今回はアマゾン。ついに、噂されていたスマートフォンをリリースしたアマゾン。その中身と、狙いとはなんだろうか?
(写真:AP/アフロ)

アマゾンは米国時間6月18日シアトルで行われてプレスイベントで、長らく噂されてきたアマゾンブランドのスマートフォン「Fire Phone」を発表した。販売はまずは米国の通信会社AT&Tを通じて行われ、2年契約を前提として32GBモデルが199ドルで販売される。64GBモデルは299ドル。なお、契約なしの端末購入はそれぞれ649ドル、749ドルとなる。

アマゾンのエコシステムを着々と作り上げる

アマゾンはご存じの通り、オンラインの小売りサービスの巨人だ。同社はこれまでにも、電子書籍端末のKindleをリリースして、デバイスビジネスへの参入を果たしている。

現在Kindleは、iPhoneやiPad、Android向けにもアプリがリリースされており、電子書籍を販売するという点では、必ずしもデバイスとしてのKindleが必須というわけではない。ただ、Kindleがリリースされた2007年11月を振り返ると、iPhoneが登場したばかりでアプリも追加できず、電子書籍のマーケットを創るという意味で、デバイスが必要だった。

その後アマゾンは、2011年11月に、カラーディスプレイを搭載し書籍だけでないメディア視聴を楽しむ事ができるKindle Fireをリリースした。アマゾンによって深くカスタマイズされたAndroidを使ったKindle Fireシリーズは、タブレット市場でも存在感を示し始め、2013年にはアップル、サムスン、アスースに続く第4位、940万台を販売し約5%のシェアを獲得した(ガートナー調べ)。

アマゾンは2014年になると、Fire TVというセットトップボックスを発売した。テレビに接続することで、アマゾンが提供するストリーミングサービスのビデオを手軽に楽しむことができるようになった。タブレット、テレビと、「Fire」シリーズのデバイスを拡充している中で、欠けているピースであり、かつ最も市場規模が大きいスマートフォン市場に、今回のFire Phoneを投入した格好だ。

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