東洋経済オンラインとは
キャリア・教育 #非エリート女子が、MBAに行ってみた!

崖っぷちOL、30歳で「財務諸表バージン」卒業 会社のおカネを知ることで、仕事も生活も激変した

9分で読める
2/4 PAGES
3/4 PAGES
4/4 PAGES

当たり前のことなんだけど、おカネの概念がぬるま湯だった頃は、「まいっか~会社のおカネだし~」と、すべてナァナァにしていた。

しかし、それでは駄目なのである。無駄なコストをかけていないか? 何かプロジェクトを任されるにしても、もうちょっと予算をもらってアレもやりたい、コレもやりたい……なんて自由なことを思っていたけど、今は違う。ハテ、それだけのおカネをかけてどれほどのリターンがあるのか? 売り上げにつながるのか? 自分の懐が痛まなければ、それでいいのか? この会社が自分の会社だったら?

ベテランの総務社員が、「社内資料はカラーコピーでなく白黒にしてくださ~い」と言ってる声が、心の中で何度もリフレインした。

自分のキャッシュと資産の管理

そんなこんなで、簿記検定を勉強していたときとはまた異なる財務の概念が、自分の生活に入ってきた。会社のおカネにこれだけ感情移入しているのである。いわんや、自分の家計をや。

細かく家計簿をつけたりはしなかったが、「固定費=家賃」の支出がわが家の会計を圧迫していることは実感していたので、それをどうしたものかという新たな悩みが出てきたのである。もう少し安いところに引っ越そうか、シェアハウスにしようか……。

ところが、同時にファイナンスの授業が始まり、また私の心は揺れ動く。時間価値の概念の登場である。すなわち、今日の100円は明日の100円より価値がある。今使うおカネは10年後より価値がある。そして、時間だけは平等に人に与えられ、失っても取り返せぬ。

さんざん試算して、結局、引っ越すのをやめた。今のままのお給料なら、学費と家賃を支払っても何とかキャッシュフローを回せる。遠くに引っ越して、通学に時間がかかることのほうがマイナスだ。短い通学時間を買っていると思えば安いもんだと、自分を納得させた。何より、引っ越しになると、物件探しからまた時間とおカネがかかる。

今、投資した分は、きっと将来的にリターンとなって還ってくるはずだ。そのはず。うん……多分……。まったく確信は持てなかったが、呪文のようにブツブツと自分に言い聞かせる。何せ、これまでに何度も「あちゃー」という選択肢を選んできている実績があるので、自分以上に信頼できない人間もいないのである。でも、大学院の先生も時間価値と言ってるし……と、勝手に先生を自分弁護団に加えて、もうひとりの自分を説得し続けた。

少しして、意を決し、引き出しに大切にしまっていた白い封筒を開けた。数年前に亡くなった祖母が病床でくれた、最後のお小遣いである。中には旧1万円札が10枚入っている。学費の足しにすることもできたのだが、あこがれのキャリアウーマンに近づくための資産に変えることに決めた。

亡き祖父の形見のパールのタイピンなどを、上品なネックレスにリニューアルする代金に充て、それまで使っていた1000円台の安物のアクセサリーを一掃した。形からしか入れないが、形だけでも少しずつ行動に移してみようと思った。

かんべみのりさんの新刊『マンガ 日本最大のビジネススクールで教えているMBAの超基本』好評発売中!

こちらの記事もおすすめ

あなたにおすすめ

キャリア・教育

人気記事 HOT

※過去1週間以内の記事が対象