「文化系サラリーマン」の生きる道とは?

即戦力になれずとも特性を生かせる日は来る

 

文化系サラリーマンにとっての読書とは?(写真:Ushico / Imasia(イメージア))

 

最終回のこの機会に、連載のタイトルにも触れておこう。もともと担当編集者が僕の番組「文化系トークラジオLife」のリスナーだった縁で始まった企画ということで、その一部をタイトルに借用した。「文化系トーク」には多くの意味が込められているのだが、「文化系サラリーマン」はというと、たとえば本を読みすぎてしまった社会人、とりわけ文学や哲学、思想や社会科学などの人文書のたぐいを読みすぎてしまった人、といったイメージだ。

本を読むことは基本的によいこととされている。ビジネス誌でもしばしば「読書特集」が組まれ、ビジネスパーソン向けの教養書も売れているようだ。しかし読みすぎには副作用もある。難解な本を読破しただけで偉くなったような気になるし、頭でっかちになって一般社会からズレてしまうこともある。そもそも実用性に乏しく、仕事の役にも立ちそうにない。政府の大学改革論議では「人文社会科学系は、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換」をすることが検討されているほどだ。

一見当たり前に思えることを徹底的に「疑う」姿勢

僕自身がそんな「文化系サラリーマン」の典型だ。何度か書いてきたように、僕は会社になかなかなじむことができなかった。普通の人が疑問に思わないことにいちいち引っ掛かり、違和感を覚えてしまう。その一因はやはり学生時代に本を読みすぎたことにある。僕が読書を通じて学んだ最も大きなことは、一見当たり前に思えることを徹底的に「疑う」ことだったからだ。

しかし「疑う」ことと、サラリーマンとして働くことはあまり相性がよくない。上司や先輩の指示をいちいち疑っていたら仕事にならないからだ。入社当時、新入社員研修にどこかの会社のエラい人が来て、「君らはガレー船のこぎ手だ。文句を言わず、外も見ず、ひたすらオールをこぎなさい」と訓示した。今はその人が言わんとしたことの意味が少しわかるが、当時の僕は「奴隷じゃあるまいし、自分の頭で考えなくてどうするんだ」と内心強く反発した。万事その調子で、何かと疑問を感じてはつまずくことが多かった。

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