「バイト勤務時間改ざん」へのペナルティとは? 居酒屋大手で発覚した"月120時間"への調整
「これは、企業に課されている義務です。労働者が『アルバイト』であろうが『パート』であろうが、関係ありません。
この負担を節約するために、勤務時間を改ざんし、実際より少なく申告して、結果として企業がその分の保険料を払わずに済ませようするのが『社保逃れ』です」
「社保逃れ」事業者には制裁がある
具体的に、「社保逃れ」は労働者にどんな影響があるのだろうか。
「会社で健康保険に入らない場合、自分で国民健康保険の手続きをして保険料を支払わなければなりません。そうしないと無保険状態となり、病院にも満足にかかれなくなってしまいます。
また、会社の健康保険では、病気で働けなくなったときに、給料の3分の2相当にあたる金額が最大で1年半保障される制度がありますが、国民健康保険ではそのような保障は通常ありません。
さらに、厚生年金保険に加入しない場合は、国民年金保険料を自分で納めることになりますが、将来受け取れる年金額は、厚生年金保険に加入している場合に比べて、大幅に減ることになります」
「社保逃れ」は法律で規制されているのだろうか。
「社保逃れは、健康保険法や厚生年金保険法に違反します。違反した事業主には、6カ月以下の懲役または50万円以下の罰金が科せられます」
今泉弁護士は「国や自治体が『社保逃れ』をするブラック企業をきちんと取り締まり、メディアもそうした企業を今回のように公表し、強力な社会的制裁を加えていく必要があるでしょう」と指摘していた。
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