中国市場での成功に不可欠なデジタルマーケティング、その可能性と落とし穴[1/2]
世界屈指のアナリストやマーケッターが、「2015年から20年には、中国が世界第3位の消費市場となる」と有望視する消費大国中国。その中国国内ではデジタルメディア環境が大きく変貌を遂げつつあり、経営戦略や販売戦略を立案するに当たり、正確に理解しておくことが必要である。2回にわたって中国のデジタルメディア事情の実態とそれらを活用したマーケティングのポイントを解説する。
中国のデジタルメディア環境
CNNIC(China Internet Network Information Center)によると、中国のインターネットユーザー数は、10年6月に4億2000万人を突破。すでに、08年6月時点で中国のネットユーザー数がアメリカを超えて世界最多となっており、09年末には3億8400万人と、日本の約4倍に達している。
中国全体で見るとインターネット普及率は10年6月末時点で31.8%にとどまっており、世界平均をわずかに超えた程度だ。しかし、地域別で見た場合、北京や上海をはじめとして主要都市における普及率は高い。今後も、中国では内陸部を中心として普及率が低い省の成長率は高く、中国のインターネットメディアがさらに普及していくことは間違いない。
出所:CNNIC, International Telecommunication Union
また中国におけるインターネット使用環境は、日本能率協会総合研究所「中国ライフスタイル白書2010」によると、パソコンの一般家庭への普及とともに自宅からのアクセスが増え、接続時間も増加傾向を見せている。