「最近の若手」への違和感で自らの価値に気づいた 3年休職のワーママが「置いてきぼり感」を克服

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やれることを毎日積み重ねていく。それ以外できることはない。「入院中にも、似たようなことを感じたことがあったな……」。仕事をしているときも病気の治療をしているときも、生き方の基礎はそう変わらないと痛感した。

ただし、自分自身に対する自信を失ったわけでもなかった。

仕事を休んでいた3年間、寝ぼけて何もしなかったのではない。むしろ、白血病の治療を通じ、人としての経験値は確実に上がった自信がある。「3年ぶりに復職した私の価値って、何だろう?」。そう日々自問自答しながら、自分だからこそ生み出せる価値を惜しみなく作っていこうと決めた。

ダイバーシティーとインクルージョンを自分事に

もともと3回の留学(高校・大学・大学院)と4回の転職から、新しい環境への適応力とコミュニケーション力には自信があった。入院中6カ月大部屋で過ごしたことや医療現場での医師らとのやり取りで、さらに私の適応力とコミュニケーション力に磨きがかかっているはずだ。

「苦労しているプロジェクトマネジャーのサポートや、最近増えてきた転職者への配慮なら、きっといい仕事できるはず」と意識を新たにした。

最近は、海外出身者の社員も増えている。社内のダイバーシティー(多様性)は確実に上がってきているが、一方でインクルージョン(一体性、それぞれの能力や経験が認められて、組織に貢献できる状態)はうまく進んでいるのか、疑問を感じるようになった。そこで、社内のダイバーシティー&インクルージョン(D&I)検討会へ参加することにした。

個人的にはワーキングマザーの忙しさについても心配しており、自分の娘たちが働き始める将来も意識しながら子育て世代の働く環境改善のため何かできないかと思案中。また、ガン罹患者の復職が、スムーズに進むよう支援していきたいとも考えている。そのため、社内のD&I施策については今後も自分事にしてかかわっていくつもりだ。

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