「最近の若手」への違和感で自らの価値に気づいた 3年休職のワーママが「置いてきぼり感」を克服

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「まだまだこの先の人生は長い、焦らず行こう」と思うと気が楽になったし、ネガティブな感情もかなり薄まった。

休職前は自分とは共通点がない、どちらかというと遠い存在だと思っていた先輩方から、復職後思いがけず貴重なことを教わったと感謝している。

復職してみたら、「実は今月末転職します!」と告げられ、お別れ直前の再会になってしまった後輩、偶然オフィスの共有スペースで出会ったが、驚いた顔をしないで以前と同じように話かけてくれた同僚、「治療ご苦労様でした。よく頑張ったね」とわざわざ席を立って挨拶してくれた先輩、復職してからいろいろな再会があったけれど、記憶に刻まれた再会はこれからの人生の宝物になるだろう。

休職前の「働く私」を知らない「最近の若手」

「新卒採用の面接官は以前何度もしたことがあるけど、最近の若手は今までの社員と全然ちがう感じがするなあ……」

復職してわずか3カ月の間に、何度もこう感じる場面があった。

私が言う「最近の若手」とは、私が不在の間に入ってきた入社3年目以下の社員である。でも、あらためて分析してみたら、彼らが特殊なのではなかった。以前の私を知っている人たちはそれ相応の態度で接してくれるが、彼らにはそれを期待することはできないのだ。

病気になる前の「働く私」を認識していない彼らから、まず「認知してもらうこと」からスタートしなくてはならないと悟った。「私がどのようなバックグラウンド、スキル、知識を持っている人間なのか」を説明し、認めてもらわなければならない。

「時間がかかっても、しょうがないよな」。そうあきらめて、コツコツ信頼関係を築いていくことに決めた。でも、そう思えるようになるまでは、「違和感あるなあ、その言い方」「コメントに深みがないなあ」など、若手社員に対してネガティブな印象をもってしまった。

でも、彼らが悪いのではない。お初に会う「3年間も休職していた知らない40代半ばの女性社員」に、そんなにリスペクトを払う必要性を感じないだけだ。

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