高血圧は、命に関わる疾患である脳心血管病(くも膜下出血や心筋梗塞など)の最大の危険因子です。現在日本では3人に1人が高血圧といわれていますが、適切に血圧コントロールされている人は多くありません。原因としては、そもそも自分が高血圧かどうか知らないことや、診断されても生活習慣を改善したり処方薬を自己中断したりといったことが挙げられます。今回は、ご自身の血圧をいま一度見直す方法をお伝えしたいと思います。
高血圧の定義は血圧測定の値が140/90mmHg以上と言われています。ちなみに左の数字は収縮期血圧、右の数字は拡張期血圧とよばれるものです。血圧が120/80mmHgを超えて高くなるほど脳心血管病のリスクが高くなると言われており、これ以下の数値であることが望ましいとされます。
「白衣高血圧」や「仮面高血圧」という現象
ただし、血圧の評価は1日のうちいつ測るか、どこで測るかによって違います。家庭ではリラックスしているため血圧が低いが病院では周囲の患者や医療者がいるため緊張してしまい血圧が高くなる「白衣高血圧」や、反対に家庭では血圧高めだが診察室では低くなる、まるで仮面を被っているような「仮面高血圧」という現象が知られています。仮面高血圧の原因は、家庭では血圧上昇の原因のひとつとなる喫煙を頻繁にしていることや、朝に降圧薬を飲むことで家では血圧が低いが昼過ぎに病院で測ると効果が切れていて血圧が高く出てしまう、といったことが挙げられます。
このように、家庭と診察室の血圧は大きく異なる場合があるため、医療機関での測定や健康診断での一時的な血圧のみで安心することなく、普段から自宅でも習慣的に血圧測定を行うことが大切といえます。
測り方は静かな室内で、イスに座るなど少し安静にしてから血圧計を使います。またタバコやアルコール、カフェインは血圧上昇の効果があるため測定前は摂取を控えましょう。測定の回数は朝晩2回測ればじゅうぶんですが、医師の指示(入浴前など)があった場合はそれに従いましょう。さらに、頭痛やめまいなど気になる自覚症状があった場合も血圧を測り、どのようなときにその症状が出たのかをメモしておくと診察に役立ちます。
では、実際に高血圧と診断されたとき、血圧のコントロールとして生活習慣の改善が効果的であるとよく言われますが、具体的にはどのようにすればよいのでしょうか?
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