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クラシック鑑賞「最前列がいい」と限らない深い訳 2階席や3階席のほうが実はお得なケースも

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  • 澤 和樹 バイオリニスト、東京藝術大学長
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藝大の上野キャンパスの中にある東京藝術大学奏楽堂も、皆さんにご紹介したいホールの1つです。

日本最初の西洋式音楽ホールとして、藝大音楽学部の前身である東京音楽学校内に建てられた奏楽堂(旧東京音楽学校奏楽堂として現在は上野公園内で台東区が管理。重要文化財)。東京藝術大学奏楽堂は、その名前を受け継ぎ新しく設計されたコンサートホールで、1998年に竣工、開館しました。

木材と石という天然素材がふんだんに使われたホールは、どんな音も柔らかく反射させます。また、天井高を変えることによって容積が変わり音響を調節できるという、世界的にみても珍しいシステムを備えています。

最も高い天井高は「オルガン天井」と呼ばれ、その響きはヨーロッパの大聖堂のように荘厳かつ深長。フランスの名オルガン製作者、マルク・ガルニエ氏が手がけたパイプオルガンも備えられています。

こけら落とし(新しいホールや劇場での最初の公演)では私も演奏をさせてもらいましたが、まっさらなホールでありながらどこか温かみがあり、100年前の音楽の先人たちの魂が宿っている場所だと感じました。

忘れられない2019年の体験

また、奏楽堂では、近年、忘れられない体験もしました。

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藝大のイベントとして不定期で開催している「学長と話そうコンサート〜和樹の部屋」の第1回は2019年11月だったのですが、ゲストのさだまさしさんとともにステージに立ち、彼の代表曲の1つである「北の国から〜遥かなる大地より〜」を演奏したとき、観客の皆さんがサイリュームのペンライトを振って応援してくださったのです。

色とりどりの光が奏楽堂の広い空間を満たし、それが揺れる光景は、クラシック音楽の演奏会ではまず見られないもので、会場の一体感を実感できてとても感動的でした。

奏楽堂では藝大音楽学部所属のプロオーケストラ、藝大フィルハーモニア管弦楽団の演奏会をはじめ、数々のコンサートが開催されていますので、ぜひ一度足を運び、歴史のこもった音に触れていただければと思います。

前回記事:ベートーヴェンの「運命」本人は名付けてない驚愕

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