ベートーヴェンの「運命」本人は名付けてない驚愕 高い芸術性!東京藝術大学長のおすすめ4選

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ベートーヴェンについて解説します(イラスト:川崎市民団体Coaクラブ)
刻々と変わる世界情勢やコロナ禍による家ごもりなど、ストレスを感じがちな昨今、クラシック音楽で心を落ち着かせませんか。高名なバイオリニストで東京藝術大学長である澤 和樹氏が、クラシック音楽の古典派の代表の1人であるベートーヴェンのおすすめ楽曲を解説します。
※本稿は澤氏の新著『教養として学んでおきたいクラシック音楽』を一部抜粋・再構成したものです。

「ガチで俺の曲を聴け!」という魂の叫びが聞こえる

<おすすめしたい曲>
交響曲(全9曲)
ピアノ協奏曲(第4番・第5番)
弦楽四重奏曲(ラズモフスキー1番~3番、第12番~第16番)
ピアノソナタ(第8番『悲愴』・第30番・第31番・第32番)

天才モーツァルト(1756~1791)に並び称されるクラシック音楽界の大スターが、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770~1827)。生まれ年ではたった14年しか違わないこのふたりは、ほぼ同時代の人として、ウィーンを中心に活躍したことになります。

ベートーヴェンは音楽史上にはじめて登場した、芸術家らしい芸術家だったのではないかと思います。

バロック期は教会や王侯貴族から、それに続く古典派の時代は王侯貴族や市民団体からの依頼を受けて作曲家は曲を書いていました。ベートーヴェン自身も、もちろんそうした位の高い人々からのオーダーで曲を作りはじめましたが、彼の高い芸術性は、貴族たちが食事の背景で聴きたいような耳あたりのよい音楽を書くことだけでは満足できなかったのでしょう。

彼の音楽からは、今の言葉で言うならば「ガチで俺の曲を聴け!」と言うような魂の叫びが聞こえてきます。性格的にも激しい気性であったといわれる彼の芸術家としての熱情は、聴力を失うという人生の悲劇を経て、やがて哲学的、思想的なものへと高められていきます。

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