法人減税の財源で大もめ、負担に猛反発の経済界

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そもそも財務省は法人減税自体に抵抗があり、効果も疑問視している。「減税が本当に企業の国際競争力をつけるのか。競争力は人件費や輸送費など多くの要素が絡み、必ずしも法人税率だけでは決まらない」(五十嵐副大臣)。

だがこうした動きに、当の経済界は激しく反発している。日本経団連の米倉弘昌会長は「課税ベース拡大というなら『法人税率引き下げはもう結構』と言わざるを得ない」とまで発言。9日の国内投資促進円卓会議では、法人税率引き下げを前提に、民間設備投資が2009年度の63兆円から20年度には104兆円に増える、とブチ上げた。減税は投資や雇用の拡大につながる、と必死のアピールだ。

法人減税の財源をめぐる議論は現在も迷走中。酒税増税など、対象は法人以外にも飛び火しそうな気配だ。年末の税制改正大綱取りまとめに向け、政官民の激しい攻防が続く。

(撮影:尾形文繁 = 週刊東洋経済2010年11月20日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。

山田 徹也 東洋経済 記者

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やまだ てつや / Tetsuya Yamada

島根県出身。毎日新聞社長野支局を経て、東洋経済新報社入社。『金融ビジネス』『週刊東洋経済』各編集部などを経て、2019年1月から東洋経済オンライン編集部に所属。趣味はテニスとスキー、ミステリー、韓国映画、将棋。

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